写真を見て描くのと現地で描くのは何が違う?遠景の省略で変わるスケッチの印象
「現地で描くのと写真を見て描くのでは
何が違うんですか?」
と聞かれることがあります
僕の場合、大きく違いを感じたのは
- 遠景の省略のしやすさ
- 絵を見返したときに思い出すこと
の2つでした
特に、絵の見え方として一番違いを感じたのは
遠景の省略のしやすさです
写真を見て描くと
遠くのものまでつい描き込んでしまいます
一方、現地で描くと
遠くのものはよく見えなかったり
時間が足りなかったりするので
自然と省略しやすくなります
僕は17年ほど
アニメ背景の仕事をしてきました
仕事では
遠景・中景・近景の距離感や
どこまで描き込むかを考えながら
背景を描いてきました
それでも、屋外スケッチを始める前は
写真を見て描いても
現地で描いても
同じような絵になるのではないかと思っていました
屋外スケッチを始める前に
僕はパソコンのモニタに映した写真を見ながら
スケッチする練習をしていました

写真を見て描くと遠景を省略しにくい
写真を見て描く場合
実際の距離感を知っていたとしても
写っているものをついそのまま描いてしまいます
そのため、遠景を省略しにくいです
その結果
近景から遠景まできっちり描いてしまい
遠くの距離感があまり感じられなくなることがあります
写真を見て描いた絵では
そう感じることがありました
現地で描くと省略する理由が生まれる
では、現地で描いた場合はどうかというと
遠くのものはよく見えません
それに、疲れたり、時間がなかったりもします
そうなると
「ここはそこまで重要じゃないから省略しよう」
と割り切りやすくなります
そのあたりが
絵のおもしろさや
距離感の表現につながるのではないかと思います
遠景・中景・近景を分けて考えると
距離に合わせてどこまで描き込むかを
整理しやすくなります
距離ごとの描き込み方については
遠景・中景・近景の3つに分けて考える記事で
もう少し詳しく書いています
実際に比べてみないとわからなかったこと
僕も屋外スケッチに出る前は
肉眼とカメラの違いなどを
いろいろ調べていました
理論的な違いはあっても
描いたらどちらも
同じような絵になるだろうと
思っていました
でも
実際に描いてみると全然違う絵になった
という印象です
結局、理論や技術だけではなく
- 細かく描くのが面倒だから省略する
- 時間内に終わらせなければいけないから省略する
といった制約による違いが大きかったのだと思います
絵を見返したときに思い出すことも違う
もうひとつ違うと感じたのは
絵を見返したときに思い出すことです
写真を見て描いた絵は
どうしても
- うまく描けたか
- どこを工夫したか
- どこがうまくいかなかったか
といったことに意識が向きやすいです
一方、現地で描いたスケッチは
絵の出来とは別に
その場所で描いていたときのことを思い出します
- 暑くてつらかったこと
- 飲み水をたくさん持って行っても
足りなかったこと - 途中で描き続けるのが面倒になったこと
それでもしばらく描いているうちに
その場所と少し一体になったような
不思議な感覚になったこと
絵を見返すと
そういった状況も思い出します
だから、現地でスケッチを描く理由は
完成度だけでは判断しにくいところがあります
うまく描けたかどうかとは別に
その場所にいた時間そのものが
絵の印象に重なってくるからです
こればかりは
人それぞれだと思います
実際にやってみないと
何を感じるかはわかりません
写真と現地、両方で描いて違いを確かめてみる
写真を見て描く練習と、現地で描くスケッチ
ぜひ両方を試して、違いを確認してみてください
現地で描くときは
時間が限られているからこそ
何を描いて何を省略するかを考えやすくなります
短時間で景色を切り取る練習に興味がある方は
1枚の紙を小さく分けて描く
コマ割りスケッチの練習も参考にしてみてください