ビルを一棟なら描けるけど
ビル群になると
何を基準に整理すればいいのかわからない

そんな方に向けて
ビル群を描くときに僕が意識している
考え方とチェック方法をまとめました

この記事では
ビルを一棟ずつ描くのではなく
「大きなかたまり」として見て
明暗や距離感を整理する考え方

紹介します

あくまでも
僕自身の経験則によるものですが
ビル群を描くときの判断基準の一つとして
参考にしてもらえたらと思います

大前提として、白黒にしたときに
絵としてわかりやすいことが大事
です

そのため、今回の説明では
明暗がわかりやすいように
セピアのモノトーンで
説明図を作成しています

光と影のコントラスト≒距離

僕は、ビル群を描くときに

光と影のコントラスト ≒ 距離

として考えることがあります

現実の光の強さは、単純に
距離だけで決まるわけではありません
(空気中の埃などの影響でも減衰します)

ただ、絵として整理するときには
手前ほどコントラストを強く
奥へほどコントラストを弱くすることで
距離感を表現しています

正確な物理法則というより
画面をわかりやすく整理するための
考え方です

凸凹した大きな立方体として考える

ビル群を描くときは
多くの直方体の組み合わせ
として考えるよりも
「凸凹した一つの大きな塊」を
描くつもり
で考えています

いくつもの直方体を一つずつ描こうとすると
それぞれを個別に見すぎてしまって
陰影の付け方や距離感が
ちぐはぐになりやすいです

そうならないように
まずはビル群全体を下図の青い四角のように
大きな直方体と考えたうえで
「凸凹した一つの大きな塊」として捉えます

ビル群を描くときのチェックポイント

ビル群をチェックするときは
ビルの一つ一つを細かく確認するのではなく
距離感の基準になる角だけを
見るようにしています

たとえば、一番近くに見せたい角と
一番遠くに見せたい角
中間の距離にある角を決めます

そのうえで
それぞれのコントラストと距離感が
適切に見えているかを確認します

下図の赤丸を付けた角のコントラストを確認して
距離感がおかしくなければ
他の角の距離感も大きく狂ってはいないと
判断します

全部の角の距離感を
同じようにチェックしようとすると大変です

距離感の基準になるポイントを決めて
チェックするのがおすすめです

なお、ビル群や街並みでは
消失点が画面外にあって
線を取りにくいこともあります

そういう場合は
消失点を決めずに奥行き方向の線を考える
「真ん中ー真ん中分割法」
の考え方も参考になります

遠景・中景・近景の3層に分けて整理する

多少わざとらしく見えることもありますが
ビル群は遠景・中景・近景の
3層に分けて考える

見やすく、描きやすくなります

写真加工をしたり、時間をかければ
遠くまで連続したビルの繊細な距離感を
細かく描けてしまいますが
情報量が多くなりすぎて
画面が見づらくなることもあります

そこで
遠景・中景・近景のグループに分け
それぞれの明暗のコントラストを整理する
ことで
情報量を減らします

細かい距離感を表現するよりも
大きなまとまりとして見せた方が
早く描けますし
ビル群として伝わりやすくなります

区画を意識してビル群を見やすくする

個人的には、引きの俯瞰でビル群を描く場合
「大通りなんだろうなーって部分を
いかにかっこよく描くかしか考えていない」

と言っても過言じゃありません

大通りの影面を使って区画をまとめると
画面が整理されて
ビル群として見やすくなります

また、大通りや区画の流れが見えることで
ビルがたくさん並んでいるだけでなく
街としての構造が伝わりやすくなり
画面の説得力が上がります

ただし、区画の流れを見せるだけでは
単調になりやすいので
ところどころ大きなビルで隠したり
広場や駐車場のような空間を入れたりして
変化をつけます

このあたりの見せ方は
ビル群を描くときの
腕の見せ所だと思います

大通りで視線を誘導する

大通りは
視線誘導としても使いやすいです

描きたい建物を先に描いたら
その建物同士の空間を
大通りでつないでいくように考えます

下図のように主役になる建物を描いたあと
まず大通り沿いの建物を描き
不自然にならないように
隙間の空間を建物で埋めていくと
街全体の流れを作りやすくなります

ビルを一棟ずつバラバラに考えるよりも
大通りを軸にして整理した方が
描きやすく、見やすい絵に
仕上げやすいです

まとめ

ビル群を描くときは
一つ一つのビルを細かく描く前に
まず全体を大きなかたまりとして見る
ことが大事です

そのうえで

・手前と奥のコントラストの差
・遠景、中景、近景のまとまり
・距離感の基準になる角
・大通りや区画の流れ

を確認すると
ビル群を整理して描きやすくなります

結局のところ
ビル群も立方体表現の延長にあります

ただ直方体をたくさん並べるのではなく
明暗、距離感、かたまり、区画を使って
画面として見やすく整理することが大切です

僕自身、背景の仕事を続ける中で
派手な仕上げのテクニック以上に
基本の精度を上げることの大切さ
を感じるようになりました

基本という土台がしっかりしているほど
仕上げの見栄えも良くなります

ビル群がうまくまとまらないと感じたときは
細部を描き込む前に
まず大きなかたまりと明暗の関係から
見直してみてください

ビル群を描くときは
パースの正確さだけでなく
画面全体をどう見せたいかを
考えることも大切です

消失点が画面外にあって扱いにくいときは
消失点を決めずに描く
「真ん中ー真ん中分割法」

の考え方も参考になります

また、目的に合わせて
配置や空間を考える流れは
絵づくりの全体像を整理した記事
でまとめています

実際に手を動かして基礎を見直したい方は
30分でできる基礎練習の選び方や続け方
をまとめた記事
もどうぞ

パースを含め
分野ごとの勉強本を探したい方は
絵の勉強に役立つ本を
難易度や読む順番つきでまとめた記事

も参考にしてみてください