絵を描くためには多くの知識が必要です
下図のように
色や光、構図、パース、画材など
覚えるべきことがたくさんあります

まず絵を描くのに必要な知識の
全体像を整理したい方は
絵を描くとき何を考える?
必要な知識の分類と関係性を整理した記事
ご覧ください

絵を学び始めたばかりの人は
まだ自分にどんな知識が必要なのか
もわからず
「どの本を読めばいいの?」
「どの順番で読めば効率的?」
と悩むこともあるでしょう
(僕がそうでした!)

絵に関する本は高価なものも多く
読むのに時間もかかるため
できるだけ効率よく学びたい!
と思う人も多いと思います

さらに
専門書籍は関連書籍と
あわせて読まないと理解しづらい
こともあります

そこで
17年間のアニメ背景を描いてきた僕が
絵を描くために必要な知識の関係を
下図のように図示しながら
僕が実際に読んで本当に役に立った
おすすめの本の難易度や読む順番
関連書籍
を紹介します

適切なタイミングで
適切な本に出会う機会になれば幸いです

もくじ
  1. 全般について
  2. 色や光について
  3. パースについて
  4. 混色について(色を作る)
  5. 人体・生物について
  6. 色相環・配色について
  7. 構図について
  8. 風景画について
  9. イラスト全般について
  10. 映像演出について
  11. コンセプトアートについて
  12. アニメ背景について
  13. 絵を描くうえでの悩みについて
  14. 映画について
  15. 自分に合う本を選ぶために

全般について

学び始めは
いきなり専門的な内容の書籍を読むより
幅広い内容がまとまっている本を読んで

  • 今の自分に必要な知識は何か?
  • どの部分についての知識を深く学ぶべきか?

を見極める方が良いと思います

(本を選ぶ前に
まず自分に足りない知識を整理したい方は
絵に必要な知識の分類と関係性を
整理した記事
もあわせてご覧ください)

「絵の勉強を始めたいけれど
何から手をつけていいのかわからない」
そんな方に、まずおすすめしたいのが
デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)です

デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則(改訂版)

デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)
色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き

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難易度:初級者~中級者向け

この本を一言で言うと
「アーティストが知っておくべき
アートの原理・原則がまとめられた本」
です

まさに、タイトルの通りだと思います
初級者~中級者にお勧めです
初級者が全てを理解するのは
難しいと思いますが
いずれは
理解しなければならない内容ばかりです

タイトルには
「デジタルアーティストが知っておくべき」
とありますが
本書ではフォトショップなどの
デジタルツールの操作方法には
一切触れられていません

この本で解説されているのは
以下のようなアートの基礎理論です

  • 構図
  • 解剖学
  • 遠近法

「はじめに」では
こうした理論や原則を理解することこそが
画材やスキルの有無に関係なく成功につながる

というメッセージが書かれています

西洋美術の歴史をふまえながら
色・光・構図・遠近法といった基本を
わかりやすく解説しています

図や作例が豊富で
わかりやすく構成されていますが
内容を簡潔にまとめているぶん
初心者には少し
説明不足に感じられる部分も
あるかもしれません

難易度としては
初心者にはやや難しく
中級者には少し物足りない
という位置づけだと思います

もちろん、この1冊で
すべてを学べるわけではありませんが
一通り目を通すことで
「自分に今、どんな知識が必要か」を
洗い出すきっかけになると思います

この本は
絵を描くうえで必要な知識が
一通りまとまっているので
最初の1冊としてかなりおすすめです

詳しい感想は
こちらの記事にまとめています
絵を学び始めた人へ
まずは、この本から
『デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則』感想

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色や光について

色と光 マスターガイド イラスト上達のための理論と実践

色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践
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難易度:中級者~上級者向け

初心者には難しすぎるとは思いますが
速いうちから手元に置いておくことを
お勧めします

この本を一言で言うと
「色や光に関する理論や考え方を
根拠をもとに丁寧に解説してくれる本」です
絵を描くうえで必要な色や光の知識が
この一冊にすべてまとめられています

この本の内容を書き出すと下図のようになります
「光」「色」に関する知識が青の下線部です
網羅されているのがわかると思います

図解が多く視覚的にもわかりやすいですが
内容は本格的で難易度は高めだと思います

理解するのに
時間はかかるかもしれませんが
絵を描く人ならば
いずれ必要になる知識ばかりです

内容は「理論編」「実践編」の2部構成

  • 理論編
    色や光の仕組み、陰影、反射などを
    科学的に解説
  • 実践編
    絵具、デジタルを使った
    3手法による制作プロセス

こんな人におすすめ

  • 色や光の正しい理解を深めたい初心者〜中級者
  • 自分の専門外の描き方にも興味があるひと
  • 手元に置いて何度も見返せる
    「【色】【光】の辞書」が欲しいひと

今すぐに全部を理解できなくても
「そのうち理解しなきゃな〜」と
頭の片隅に置いておくだけで
きっと行動が変わってくると思います

だからこそ
この本はできるだけ早いうちに
手元に置いておくことをおすすめします

詳しくはこちらで紹介しています

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パースについて

僕は主に建築家が書いたスケッチ本と
大学(機械工学科)の製図の授業で
パースの基本を身につけました

建築家のスケッチ本は作例が多く
解説の内容や難易度もさまざまなので
イラスト教本より理解しやすい
のではないかと思います

ただし
建築パースで学ぶ1~3点透視図法は
作図法として正確さを求めるものです

一方
漫画やイラスト、アニメの作図では
カメラレンズの効果や
「俯瞰は客観性を表す」といった
心理的な印象を含めた「表現」
重視されます

そのため、作図の正確さ以上に

  • 自然に見えるか
  • 意図に沿った表現になっているか
  • わかりやすいか

が大切になります

だからこそ初心者のかたは
建築パースで1~3点透視図法を学びつつ
並行してイラストや漫画、アニメで
求められる知識を身につけるのが
良いと思います

僕自身、アニメ背景の仕事を
17年間経験してきましましたが
就職して1年ほど経った頃からは
厳密な透視図法に頼るのではなく
少しずつ消失点を曖昧にして描く方向へ
移っていきました
理由は大きく2つです

  • 作業に時間がかかること
  • 正確に描いても
    必ずしも自然に見えるとは限らないこと

それまでは、消失点を基準に
正確に描くことを意識してきたので
そこから離れて描く方法に
切り替えるのは
思っていた以上に大変でしたが
それでも
一段レベルアップするためには
必要な変化でした

ここではイラストレーターと
アニメーターが書いた本を紹介します

どちらも1~3点透視図法の基本には
触れていますが
すでにパースの基本を
理解している人向けの
実践的な内容も含んでいます

1~3点透視図法そのものを
基礎から学びたい方は
まず建築パースの本を何冊か見比べて
自分にとって一番わかりやすいものを
選ぶのがおすすめです

吉田誠治作品集&パース徹底テクニック

吉田誠治作品集&パース徹底テクニック
吉田誠治 著
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https://amzn.to/42BzW4e

難易度:中級者向け
この本だけでパースをすべて理解するのは
ハードルが高いかなと思います

この本を読めば
プロのイラストレーターがパースを使って
どのようにものを見ているのか
という視点がわかります

また、パースを使わずに背景を描くコツも
書いてあるので
1~3点透視図法をマスターした方にとって
ステップアップのヒントになると思います

おもな内容

  • 写真から消失点を探す
  • 身近なもののサイズと人物対比
    (机、いす、ドア、車など)
  • 魚眼パース
  • 人物からパースを決める
  • パースを使わずに背景を描くコツ
  • 消失点のない自然描写のコツ

など

アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術

アニメ私塾流
最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術
室井 康雄(アニメ私塾) 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4pz1xNC

難易度:中級者~上級者向け
パースの知識だけでなく
望遠・広角などの基本的なレンズの
知識がないと理解できない部分があります

この本を読めば、アニメーターが
どのような点に配慮して
作図しているのかがわかります

おもな内容

  • 身近なもののサイズと人物対比
    (机、いす、ドア、車など)
  • 広角・望遠の描き分け
  • レイアウトと視線誘導
  • 画面上に配置した人物にあわせて
    背景を描く(消失点を使わない)
  • イラストの添削例
    (演出意図にあわせた作図)

など

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混色について(色を作る)

混色をせずに色を作る方法もあるので
「色を作る」として下図のように分類しています

基本的には混色を
以下の2種類に分けています

  • 3原色(赤青黄)の混色比率で色相・彩度を調整
    ・3原色を使用
    ・分裂3原色を使用
  • 近似色に白と黒を加えて明度・彩度を調整
    ・「白」「黒」を使用
    ・「暖色のグレー/寒色のグレー」を使用

3原色や分裂3原色の混色については
考え方やメリット・デメリットも含めて
こちらの記事で詳しくまとめています

3原色を使った混色

3原色で考える混色は
「もっと赤っぽいか
青っぽいか、黄色っぽいか」と
シンプルに考えることができるので
混色の初心者におすすめです

大人の水彩画塾 (三原色を極める)

大人の水彩画塾 (三原色を極める)
青江健二 著
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https://amzn.to/3HSBrUO

難易度:初心者向け

透明水彩の赤・青・黄の
3色だけを使って描く流れを見ながら
混色の基本をつかみたい方に向いている本です

3色で考えるので、作りたい色を
シンプルに整理しやすいのが魅力です

この本で使用しているのは
ホルベインの透明水彩です

  • ピロールレッド(赤)
  • イミダゾロンレモン(黄)
  • フタロブルー レッドシェード(青)

分裂3原色を使った混色

分裂3原色に興味がある方は
まず関連書籍で考え方に触れてみると
わかりやすいと思います

色と光 マスターガイド イラスト上達のための理論と実践

色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践
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https://amzn.to/3RFrbAs

難易度:中級者~向け
定義のようなものが説明されているだけで
混色のコツなどは書かれていません

印刷の3原色と絵具の3原色の違い
分裂3原色の考え方に触れながら
明度・色相・彩度や色相環の基本を
学べる本です

理論から整理したい方に向いています

  • 印刷の3原色
    CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)
  • 絵具の3原色
    RBY(レッド、ブルー、イエロー)

の比較と分裂3原色について言及しています

風景画のレッスン  形・構図・色の基礎知識

風景画のレッスン  形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
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https://amzn.to/4nfcPV2

難易度:中級者~向け
基本的な混色のコツなどは
説明されていません

色についての項目の中で
実際のパレットと作品を例に
色を限定した戦略的なパレットの
一例として解説されています

作例とあわせて見たい方の参考になる一冊です

近似色+グレー

  • 白と黒(フラットなグレー)
  • 寒色・暖色のグレー

どちらのグレーを使用するかで
2つに分類しました

近似色+白と黒

色彩・配色・混色:美しい配色と混色のテクニックをマスターする

色彩・配色・混色
美しい配色と混色のテクニックをマスターする

ベティ・エドワーズ 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4ndmAE3

難易度:初心者向け

この本は、色彩を理解し
配色や混色ができるようになる
ことを
目指したワークショップを書籍化したものです

ステップごとの課題に取り組みながら
少しずつ理解を深めていくことができます

タイトルの通り「色彩」「配色」「混色」
について扱った本ですが
僕が特におすすめしたいのは
「混色」のパートです

混色では、目の前にある色を
色相→明度→彩度の順で色を見極め
混色で再現していく方法が
解説されています

実習を通して学べるので
混色を感覚ではなく
考え方として理解しやすい内容です

また、目の前の静物の色を
絵具で再現できれば
光や色の知識が十分なくても
絵として描くことができるという考え方で
静物画を描く課題も用意されています

「なんとなく混ぜる」状態から抜け出して
混色を基礎から学びたい初心者に
特におすすめの一冊です

一方で、油絵やアクリル絵具のような
不透明絵具には向いていますが
透明水彩にはあまり向かないと感じました

詳しくはこちらの記事で紹介しています

配色の教科書

配色の教科書
歴史上の学者・アーティストに学ぶ「美しい配色」のしくみ
色彩文化研究会 

城 一夫 監修
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https://amzn.to/4n4w6Zm

「純色」「白」「黒」を使った
カラー・トライアングルをもとに
「明清色」「暗清色」「濁色」「灰色」
という色の分類を使いながら
レンブラント、ダ・ビンチ、ターナー
などがどのように色を使っているかを
解説しています

近似色+暖色のグレー・寒色のグレー

作りたい色を忠実に作るのではなく
絵を描きながら
暖色や寒色、彩度について考えながら描く場合は
寒色・暖色のグレーに色を付ける意識の方が
考えやすいのかもしれません

グレージング

グレージングとは
混色せずに透明色の重ね塗りで
色を作ることです

Making Color Sing:色彩と構図が奏でるハーモニー

Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
ジーン・ドビー 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/49toqLd

難易度:初級者~中級者向け

この本では
黄→赤→青の順に重ね塗りすることで
混色とは違う
魅力的な色の使い方を解説しています

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人体・生物について

「構造」「動き」「デザイン」の
3つに分類しました

それぞれの代表的な項目として
「解剖学」「ジェスチャードローイング」
「キャラクターデザイン・造形設計
」を
置いています

この3つを行き来できるようになると
構造を壊さずに誇張したり
生き生きとした表現がしやすくなります

ただし
たとえば「解剖学」を理解していても
骨格や筋肉を立体として描けなければ
実際の絵にはつながりません

そこで必要になるのが
立体構成知識や技術です

また、ジェスチャードローイングは
「動き」の結果を線で捉える方法
なので
運動の原理を知らなくても
描くこと自体はできます

ただ、原理を知っていた方が
動きをより正確につかみやすくなります

デザインは
「どう伝えるか」「どう見せたいか」を
決めるための知識
です

これは人物や動物などの
キャラクターだけでなく
背景を描くときにも
同じように考えることができます

以上のことをまとめると
下図のように
それぞれを支える補助的な知識や技術も
必要になります

ただし
すべてに言及すると複雑になるため
ここでは中心となる3つに絞ってまとめます

解剖学

解剖学を学ぶ目的

  • 立体を破綻なく描く
  • 角度・ポーズが変わっても崩れない
  • 説得力のある「存在」にする

必要な知識

  •  骨格(フレーム)
    ・人体:頭蓋・脊柱・骨盤・肩甲帯・四肢
    ・生物:脊椎動物/無脊椎動物の基本構造
    ・比率・可動域・支点
    → 「ここは曲がる/ここは曲がらない」が分かる
  • 筋肉(ボリュームと接続)
    ・起始・停止
    ・大きな筋群の塊としての理解
    ・表面に出る筋/中に隠れる筋
    → 「なぜここが膨らむのか」を説明できる

やさしい人物画

やさしい人物画
A. ルーミス 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3XS9uRj

難易度:初級者~中級者

この本を一言で言うと
人物をパースに載せて
描けるようになる本」です

イラストレーターが書いた本で
鉛筆画、ペン画の作例が多く
おもな内容は以下の通りです

  • 8等身の理想的なプロポーション
  • 平面の人物をパースに載せる方法
  • 骨格、筋肉
  • 省略した骨格
  • ブロックで考える

など

残念ながら
直立の「正面」「横」「背面」の
骨格、筋肉の資料はありますが
その他の角度や姿勢の
詳細な資料はないので
模写の練習や絵を描くための資料
としては使えません

あくまでも
人物を描くために必要な解剖学の知識や
実践的な描き方の参考が
まとめられている本です

日本語版の初版が1976年なのに
まだ書店で見かけるので
間違いなく名著と言えると思います

ジェスチャードローイング

ジェスチャードローイングとは
形よりも動きや勢い、感情などの
「見た印象を短時間で描く」ための描き方です

ジェスチャードローイングの目的

  • 静止画でも動きを感じさせる
  • 重さ・勢い・緊張感を表現する
  • ポーズの説得力を出す

必要な知識

  •  重心とバランス
    ・支持脚・支持肢
    ・体重の乗り方
    ・倒れない配置
    → 「立っている」「走っている」が嘘っぽくならない
  • 可動と制限
    ・関節の動く方向
    ・動きの反対側の動作
    ・捻転・伸展・屈曲
    → 無理のないポーズ設計(嘘でも自然に見える)ができる
  • 動作のリズム
    ・ライン・オブ・アクション
    ・S字/C字の流れ
    ・動作の始点と終点
    → 一瞬を切り取っても“前後”が見える
  • 観察知識
    ・歩行・走行・跳躍
    ・感情と動作の関係
    ・動物ごとの動きの癖
    → 写真トレスから脱却できる

カフェスケッチ / CAFE SKETCH:感じることはタカラモノ

カフェスケッチ / CAFE SKETCH
:感じることはタカラモノ
栗田 唯 著
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https://amzn.to/4oztDH2

難易度:初心者~中級者

アメリカの美術大学に進学した栗田さんが
絵の技能ではなく
自分の内面を探ることで悩みを乗り越え
自分の武器を見つけていく過程を
まとめた本です

ストーリーボードなどの解説もありますが
おもに学生時代のスケッチを題材に
(描き方のノウハウではなく)
絵に向き合う姿勢や考え方
解説されています

スケッチの量がとにかく多く
線画中心で「自分にも描けそう」
思わせてくれる一方
「もっと描かなきゃ」
背筋が伸びるような内容でした

こんな人におすすめ

  • プロ志望だけど自分の絵に自信がないひと
  • 「自分らしい絵って何?」と悩んでいるひと
  • 練習方法に不安を感じているひと
  • 上手い人の頭の中をのぞいてみたいひと
  • カフェスケッチに興味があるひと

10パーセントの力で描く はじめてのジェスチャードローイング

10パーセントの力で描く
はじめてのジェスチャードローイング
砂糖 ふくろう 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4ozNoy7

難易度:初心者~初級者

「気楽に、サボりながら、いっぱい描く」
というスタンスの本です

描いた絵と参考写真が並んでいて
考え方やポイントが
丁寧に解説されているので
「自分にもできそう」
「ちょっとやってみようかな」
と思える内容でした

作例の絵はどれも生き生きとしていますが
元の写真と見比べると
ずいぶん違っていたので
ここまで誇張しなきゃダメかと
参考になりました

なんと、この本
著者のXアカウントで
全ページ無料公開されています
気になる方は、こちらをご覧ください
https://x.com/hakubi8888/status/1547748859476324352

主な内容

  • ラインオブアクション
    (1本の線で印象をとらえる)
  • 丸と線で描く
    (人物の簡略化)
  • 球と円柱で描く
    (人物の簡略化)

線1本のラインオブアクションから始まり
人物を丸と線で描く、豆もやしに続き
球と円柱で描くといったように
段階的に情報を増やしていく構成なので
真似しやすいです

こんな人におすすめ

  • 毎日クロッキーをする時間が取れない人
  • 絵が硬くなりがちな人
  • 生き生きとした人物を描きたい人
  • 練習中の自分を少し褒めたい人

この本を読んで練習したら起きた変化

  • ラインオブアクションを考えるようになった
  • 電車スケッチをするようになった
  • 棒人間でアイデアをメモするようになった
  • 「時間がないから棒人間でいいや!」と
    描き続けるための選択肢が増えた

残念ながら、この本には
服を描くときの考え方やコツは
書いてありません
服を着たひとを描く場合は
次に紹介する本
はじめてのジェスチャードローイング
着衣とビッグシェイプ」
をご覧ください

はじめてのジェスチャードローイング 着衣とビッグシェイプ

はじめてのジェスチャードローイング
着衣とビッグシェイプ
砂糖 ふくろう 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3LaUXwR

難易度:初心者~初級者

『10パーセントの力で描く
はじめてのジェスチャードローイング』
の続きの本です

服を着た人の
ジェスチャードローイングを
中心に解説しています

細かなシワを見るのではなく
大きな塊として捉える

という考え方です

この本で一番衝撃を受けたのは
シワは見たまま描いていません
という一言でした

シワは見たまま描くのではなく
理解しやすいように説明的に描いている
とのことでした
あまりの衝撃に目から鱗でした

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キャラクターデザイン、造形設計

デザインの目的

  • キャラクター性・印象を明確にする
  • 情報を整理し、伝える
  • 世界観に合わせる

必要な知識

  • シルエット
    ・外形だけで識別できるか
    ・余白と密度
    ・凸凹のリズム
    →一目で「誰・何かわかる」
  • 形の言語
    ・○(丸)=柔らかい・安心
    ・□(四角)=安定・強さ
    ・△(三角)=攻撃性・緊張
    →性格や役割を形で語ることができる
  • 誇張と省略
    ・強調する部位
    ・捨てる情報
    ・リアルとデフォルメの配分
    →構造を理解しているほどアレンジの自由度が上がる
  • 文脈・目的
    ・作品ジャンル
    ・年齢層・媒体
    ・シーンの役割(主役/背景)
    →「上手い」ではなく「合っている(適切な)」絵になる

ロレンツォのドローイングチュートリアルvol.1

ロレンツォのドローイングチュートリアルvol.1
HOW TO THINK WHEN YOU DRAW
ロレンツォ・エザリントン 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4mEYRLB

難易度:初心者~上級者向け

この本の特徴

  • 参考例だけでなく
    注意点・考え方・根拠まで書かれている

    → 作例を模写することで応用できる知識と技術を身につけられる
  • 単体のデフォルメイラストにとどまらず
    一枚絵としての「画面構成」「視線誘導」
    などのコツにも触れている

    →イラスト・マンガ・アニメ・映画などに共通する
  • 「カッコいい画面」を学べる
    自然物・人工物・人物・動物など
    参考例の幅が広く、収録数も膨大
    → 困ったときの辞書代わりにも使える

この本の主な内容

  • キャラクターデザイン
  • 動物
  • 車や機械
  • レイアウト
  • 自然物
  • 空想の建築物

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色相環・配色について

配色の教科書

配色の教科書
-歴史上の学者・アーティストに学ぶ「美しい配色」のしくみ
色彩文化研究会 

城 一夫 監修
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4n4w6Zm

難易度:中級者向け

色の使い方に悩んでいる中級者や
古典絵画の色の考え方を知りたい方に
おすすめです

この本のおもな内容

  • 色相環や色の調和についての歴史
  • 色相環の発展が画家に与えた影響と
    具体的な作品例
  • 現代の建築・工業製品・ファッション
    における色の使われ方

この本を読めば
学者たちがどのように考えて
色相環を発展させてきたのかという歴史

その理論に影響を受けた画家たちが
実際にどのような作品を生み出したのか
という歴史
を知ることができます

水彩画や油絵では「黒は使わない」
と聞いたことがある方もいると思います

けれど本書では
純色・白・黒を頂点とする
「カラートライアングル」を用いた
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ターナー
エル・グレコの配色が紹介
されています

私はこの本を読むまで
少しずつ違う色相環や
カラートライアングルが
なぜこんなに多いのだろう
と疑問に思っていました

ですが、本書に掲載されている
カラートライアングルを使った
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ターナー
エル・グレコの配色を解説した図を見て
「なるほど、そういうことか」と
腑に落ちました

これまで私は、色相が近い色や
反対色に近い離れた色同士を混色し
彩度や色相を調整しながら
色を作ってきました

しかし、白・黒・グレーに
色みを加えていく方法のほうが
明度・彩度・色相をより厳密に
コントロールできるのではないか
と考えるようになりました

絵具で描く方はもちろん
色相環を使って色を選んでいる方であれば
デジタル制作をする方にとっても
色選びのヒントが得られる一冊だと思います

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構図について

アニメ背景会社に入ったばかりのころ
構図を勉強したくて
写真や絵画の本を何冊か買いました

しかし、どの本にも黄金比や三分割法
三角構図といった解説ばかりで
僕が本当に知りたかったことは
ほとんど書かれていませんでした

当時の僕は「構図」=「配置」
と思い込んでいたので
うまく探せなかったのかもしれません

ところが最近になって
何冊か本を読んでみると
僕が知りたかった「構図」とは
「構図」=「視線・感情・ストーリーの誘導」
ということでした

そしてその「構図」を実現するには
次のような知識や技術が必要になります

  • 配置のバランス、リズム
  • コントラスト
    (明度、色相、彩度、大きさ、シルエットなど)
  • レンズ(広角、標準、望遠など)
  • 画角(あおり、俯瞰、正面など)

ここからは
【構図】=「視線・感情・ストーリーの誘導」を
学ぶのに役立つ本を紹介します

Vision ーストーリーを伝える:色、光、構図

Vision
ーストーリーを伝える:色、光、構図

ハンス・P・バッハー 著
サナタン・スルヤヴァンシ 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/426oRZ5

難易度:初心者~上級者

この本は、多くの参考画像と共に
ライン、シェイプ、明暗、色など
画を構成する要素を解説しています

参考画像を見て理解するスタイルで
文章による解説は最小限です

この本の作例を
実際に真似して描いてみたら
「あれ?」とか「じゃあこれは?」
といった疑問が自然に生まれ
今までバラバラだった知識が
つながっていくのを実感できました

パラパラとめくるだけでも
テンションが上がる本ですが
作例を参考にしながら手を動かしてこそ
読むだけではわからなかったことが
理解できるようになると思います

なので
回答例つきの問題集のように使うのが
おすすめです

また、『Vision』には
絵の描き方そのものに関する解説が
あまり多くありません

そこで
次に紹介する「風景画のレッスン」の
「視線誘導」「2〜5色のグレーで描く」
という項目や
「PHOTOGRAPHER’S EYE」
とあわせて読むと
より理解しやすくなると思います

なお、「Vision」には
具体的な練習方法までは
書かれていませんが
実際に「Vision」を参考にして
練習してみた記事
もあるので
あわせて読むと理解が深まると思います

風景画のレッスン

風景画のレッスン
形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4nfcPV2

難易度:初心者~中級者

形、明暗、構図、色など
画を構成する本質的な内容が
わかりやすくまとめられていて
シンプルな課題が10個用意されています

写真に矢印を描いたりトリミングする課題で
視線誘導について理解できました

PHOTOGRAPHER’S EYE

PHOTOGRAPHER’S EYE
改訂完全版
写真の構図とデザインの考え方

マイケル・フリーマン 著
[Amazon]で見る
https://amzn.to/4m9COhq

難易度:初心者~

この本は参考写真・図解も多く
順を追って解説しているので
初心者にも理解しやすい本
です

写真の本ですが、カメラの使い方や
レンズなどについては書かれておらず
「こうすれば上手に撮れる」といった
即効性のあるハウツー本でもありません

この本は
「目を引く写真が、なぜ目を引くのか」を
豊富な作例と図解で
丁寧に説明してくれる本
です

僕はこの本で
ハイレジスター、ローレジスター
という言葉を知って
写真の見方の解像度が上がりました

同じ写真でも明るさを変えるだけで
視線の動きが変わることを
比較画像やヒートマップで
示してくれるのも面白いところです

写真の本ですが、イラストや映像で
画面づくりを考えたい人にも
かなり参考になる一冊
です

この本については
こちらで詳しく書いています
『PHOTOGRAPHER’S EYE』感想
 「目を引く写真」の理由を図解と言葉で理解できる本

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風景画について

著者の経歴は
作品が美術館に収蔵されてるアーティスト
半抽象の風景画家
アニメ映画のコンセプトアーティストと
かなり異なります

ですが
ここで紹介する3冊には共通点があります

白黒2色、白黒グレー3色、5色といった
限られた明度で描く練習を通して
色と形を単純化し
省略して捉えることを教えている点です

どの本も
色と形の単純化を重視していて
その前提として
明暗のパターンの重要性を教えています

風景画のレッスン

風景画のレッスン
 形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
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https://amzn.to/4nfcPV2

難易度:初心者~中級者

形、明暗、構図、色など
絵を構成する基本的な要素が
わかりやすく整理されている本
です

絵の本質的な部分を
課題とともに学べるので
脱初心者を目指す人や
基礎を見直したい人におすすめ
です

丁寧な解説の後には
シンプルな課題が10個用意されていて
まるで講義を受けているような感覚で
読み進められます

特に、写真に矢印を描き込んだり
トリミングしたりする課題は
視線誘導を理解するのに役立ちました

ネイサン・フォークスが教えるランドスケープ水彩スケッチ(光と空気、印象を1時間でとらえる方法)

ネイサン・フォークスが教える
ランドスケープ水彩スケッチ
(光と空気、印象を1時間でとらえる方法)

ネイサン・フォークス 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4pe2N8F

難易度:初心者~中級者

屋外スケッチを中心に
透明水彩を使って短時間で
印象をとらえる描き方に特化した本
です

絵の基礎の解説、水彩画のメイキングと
作品ギャラリーで構成されていて

  • 模写
  • 色数を絞って描く
  • 同じ場所を時間帯を変えて描く
  • 小さく描く

といった
アニメーション美術家らしい練習方法も
紹介されています

さらに
「Vision」ではあまり触れられていない
シンプルに描くための考え方や
描き方も学べます

Making Color Sing:色彩と構図が奏でるハーモニー

Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
ジーン・ドビー 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/49toqLd

難易度:脱初心者を目指す人~中級者

  • 重ね塗り
  • 混色
  • 補色の使い方

など
シンプルな実験や作例を通して
絵の具や色の使い方、考え方
絵の見せ方を学べる本です

僕が「すぐに真似したい!」
と思ったのは次の2つ

  • グレージング
    (黄→赤→青の順の重ね塗りで色を作る)
  • 黄(光面)と青(影面)のスケッチ

黒の濃淡だけで描くスケッチでは
「明」と「暗」の境目が
つかみにくいことがあります

黄は暗い色を作りにくく
日光を連想させる色でもあるため
黄と青でスケッチすると
明部を意識しやすくなります

印象的だった内容

  • 透明色を中心に使用
    半透明色は補助
  • グレーを上手に使う
  • 補色を使って色の魅力を引き出す
  • 絵具を塗っていない紙の白が一番目を引く
  • グレージング(黄→赤→青の重ね塗り)
  • 風景画でよく使う
    「茶色」や「緑」の作り方・使い方

など

僕がこの本を読んで特に印象的だったのは
絵を際立たせるのは

「主題」や「技法」ではなく
「構図パターン」という点でした

下図は「構図パターン」というには
少し描き込み過ぎていますが
「この段階で印象的でなければ
描き込んでも印象的な絵にはならない」
ということは伝わると思います

基本的なことから丁寧に書かれていますが
ある程度知識や経験が
身に付いてきた人にとっては
「なるほど!
絵が上手い人はこう考えているんだ!」
と気付かせてくれる内容です

脱初心者を目指している人におすすめです

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イラスト全般について

新装版 ルーミスのクリエイティブイラストレーション

新装版 ルーミスのクリエイティブイラストレーション
A. ルーミス 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4bCF7WG

難易度:中級者~
プロを目指すひとにおすすめ

この本を一言でいうと
プロを目指すイラストレーターのための
実践的な指南書です

トーン、色彩、遠近法、構図といった
実践的な考え方に加えて
ポスター、広告、表紙、挿絵など
ジャンルごとの考え方まで解説
されています

さらに、アイデア出しからラフ、仕上げまで
制作の各工程で何を考えるべきかを
多くの作例とともに学べます

また、情報を選び
細部を省略することで
見せたい部分を際立たせるのは
写真にはできない絵の強み

という考え方にも強く納得しました

原著は約80年前の本なので
今では使われていない画材の話など
今となっては実用的でない部分や
言い回しが古く
やや理解しづらい箇所もありますが
全体としては今でも十分通用する
普遍的な内容です

初歩的な説明は少ないため
初心者向けではありませんが
プロを目指す人の予習にも
すでに活動している人の
見直しにもおすすめできる1冊です

詳しくはこちらの記事で紹介しています

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映像演出について

映画やアニメの構図を参考にする場合は
「なぜそのような構図なのか」
という演出意図を理解していた方が
アレンジしやすくなります

舞台由来の上手(かみて)下手(しもて)
レンズ、フレーミングによる心理的効果は

映画やアニメといった映像表現だけでなく
漫画やイラストにも応用できる
表現です

たとえば、「視聴者から見て
画面の右側(上手)のキャラクターは
左側(下手)のキャラクターよりも
存在感があり強く見える」とか
「俯瞰は客観性を表す」といった効果
などがあります

また
カメラワークや移動速度などは
映像ならではの表現ですが
イマジナリーラインや
モンタージュといった手法は
漫画にも応用可能です

ご自身に必要そうだと思う部分だけでも
読んでみみると
創作のヒントが見つかるかもしれません

アニメ鑑賞が爆爆爆爆爆発的におもしろくなる演出の話

アニメ鑑賞が爆爆爆爆爆発的におもしろくなる演出の話
鈴 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4mupy5J

難易度:初心者向け

「演出って何?」
という初心者の方におすすめの本です

アニメを作るときに考える基本的なことが
一通り書かれています

読めば「へぇ~、アニメって
こういうことを考えながら作っているんだ!」
と理解できると思います

プロを目指している方には
物足りない内容かもしれません

ですが、自分にとって
必要な部分だけでも読んでみれば
次に読む本を選ぶときのヒントになる
と思います

主な内容

  • アニメ演出家の仕事内容
  • カメラワーク、フレーミング
    上手・下手の心理的効果
  • 効果音、セリフ、動作
    小物などの芝居
  • レンズ
  • 色の使い方
  • ジャンル別アニメ鑑賞の極意

など

映像の原則 改訂二版

映像の原則 改訂二版
富野由悠季 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4n7Nug9

難易度:初心者~上級者向け

読んでいると
「言われてみればその通り」
と思うことがたくさん出てきます
アニメや映像は
こうした多くの「当たり前」の
積み重ねでできているんだなと
改めて感じました

アニメだけでなく
実写にも触れられているのも
うれしいポイントです
アニメを作る上でアニメしか知らない
というのでは視野が狭くなってしまう
からです

効果音や声優の発声についても
取り上げられていて
映像をつくるうえで大事なことが
幅広く学べます

10年ぶりくらいに読み返してみましたが
この間に実写映像やYouTube動画の編集
イラストの仕事を経験してきた
こともあって
以前より納得できる部分が増えていました

対象は初心者からとなっていますが
言い回しがわかりにくかったり
専門的な内容も扱われているので
この本を読む前に上記の
「アニメ鑑賞が爆爆爆爆爆発的に
おもしろくなる演出の話」を読んで
一通りの知識を頭に入れてから読んだ方が
わかりやすいかもしれません

  • イマジナリーライン
  • 移動の速度
  • カット繋ぎ
  • 目線

など
「アニメ鑑賞が爆爆爆爆爆発的に
おもしろくなる演出の話」では
触れられていない内容も
多く扱われています

僕が読んだのは改訂版(2011年)です
2002年発行で2024年に
二改訂版が出ているので
長く読み継がれている良書だと思います

アニメだけでなく
実写にも言及されていて
著者の幅広い知識と経験が詰まっています
アニメ業界に関わる人にとっては
一度は手に取る価値のある一冊
だと思います

filmmakaer’s eye 第2版

filmmaker’s eye 第2版
グスタボ・メルカード 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3MXkhqY

難易度:初心者~中上級者

この本を一言で言うと
どう撮るか」をまとめた本です

「ショットサイズ」や「ズーム」
「カメラを動かす」などといった映像が
具体的にどのような心理効果を与えるのかをまとめています

「filmmaker’s eye 第2版」と
「レンズの言語」の僕が描いた図解を
並べてみると
違いがわかりやすいと思います

読んでいる途中は
同じような説明に見えましたが
2冊を読み終える頃には
「どう映るか」と「どう撮るか」は
別の話なのだと理解できるように
なっていました

マンガやイラスト、アニメでは
広角・標準・望遠の違いを描き分けたり
心理的な表現のために誇張したパースを
使ったりすることがあります

そういうときに
レンズの効果や、その画が
見る人にどんな心理的印象を与えるのか
を知っておくことは
とても参考になります

filmmaker’s eye レンズの言語

filmmaker’s eye レンズの言語
映画のシーンに学ぶ画作りとストーリーの語り方

グスタボ・メルカード 

[Amazonで見る]
https://amzn.to/4pfq6Pe

難易度:初心者~中・上級者

この本を一言で言うと
「広角」「標準」「望遠」
といったレンズで撮ると
どう映るか」をまとめた本です

「filmmaker’s eye 第2版」では
静止画についての解説が中心だったので
前後のカットとのつながりには
あまり言及されていませんでした

その一方で、『レンズの言語』では
広角や望遠といった
焦点距離の異なるレンズで撮った画を
つないだとき
どのような印象を与えるのか
まで解説されています

この本は
次の2つの内容で構成されています

  • 望遠、標準、広角など
    レンズごとの見え方や歪み方の解説
  • 実際の映画のカットを使った解説

実際の映画のカットを題材に
カメラワークやカットつなぎ
フレア、歪み、ピント送りなど
レンズの特性を活かした表現が
解説されています

一方で、難点もあります
実際の映画のカットは
連続写真として掲載されていますが
中には実際の映像を
イメージしにくいものもあります

この点に関しては
YouTube などの動画で学んだほうが
理解しやすいと感じました

この本に関しては
こちらの記事で詳しく紹介しています

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コンセプトアートについて

コンセプトアートとは
アニメ・ゲーム・映画などの
ビジュアル作品を作るときに
作品の世界観やイメージを形にして
人に伝えるための絵
のことです

ひとことでコンセプトアートといっても
用途によって求められる役割は異なります

そのため
まずは「何のために描く絵なのか」
を理解したうえで
描き分けることが大切です

ここでは、コンセプトアートの
代表的な3つの用途を紹介します

コンセプトアートについての本を
手に取るときも
どの用途に重点を置いた内容なのかを
意識すると、学びやすくなると思います

コンセプトアートの3つの用途

1つ目は
出資者向けのプレゼン資料としての
コンセプトアートです

これは、作品の完成イメージを伝え
見た人に「面白そう」
「実現したら見てみたい」
と思わせるだけの完成度が求められます

2つ目は
作品の方向性を決めるための
アイデア出し
です

この段階では完成度よりも
量と多様性が重要で
失敗を恐れずにラフをたくさん出すことが求められます

3つ目は
制作チームのあいだで
イメージを共有するための設計図

としてのコンセプトアートです

この用途では
色や構造、スケール感など
制作に必要な情報を
具体的に伝えることが重視されます

ゲームやアメリカ映画のような
大規模な制作現場では
コンセプトアーティストの仕事が
さらに細かく分かれることがあります

たとえば
主に線やシルエットで
世界観を設計するデザイナーと
色や質感を使って
世界観を表現するペインターに分かれます

コンセプトアーティストを目指すなら
最初は線も色も両方学ぶ必要があります
ただ、現場や作品によっては
最終的にデザイン寄りかペイント寄りか
どちらかの強みを打ち出したほうが
よい場合もあります

早い段階で
自分は線が好きなのか
色が好きなのかを意識しておくと
伸ばす方向が見えやすくなります

トミーのコンセプトアート教室

トミーのコンセプトアート教室
マンガと添削で楽しく学べる!

富安 健一郎 著
佐倉 おりこ イラスト
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4gYG8tn

難易度:初級者向け

この本で得られる知識を
あえて分類するなら
コンセプトアートの「用途」よりも
「考え方」に近いものだと思います

コンセプトアートは
『描き方』ではなく『考え方』である

この一言が、この本の内容を
よく表しているように感じまし

本書は
まだ今ほど「コンセプトアート」
という言葉が広く知られていなかった
2020年に出版された入門書です

  • コンセプトアートとは何か
  • どんな目的で描かれるのか
  • どんな場面で使われているのか

といったことを
マンガを交えながら
わかりやすく解説しています

「それっぽく描く方法」や
「かっこよく描く方法」を
扱った技術書は多いですが
「コンセプトアートとは何か」
という考え方そのものに焦点を当てた本

かなり珍しいと思います

おもな内容は

  • コンセプトアートの考え方
  • 仕事の流れ
  • 上達のために意識すること
    3つの練習方法
  • 添削とメイキング

です

コンセプトアートに興味がある人や
独学でコンセプトアーティストを
目指す人におすすめです

まず「コンセプトアートとは何か」を
知るために
最初に読んでみてほしい一冊です

添削やメイキングのパートでは
プロが作品をチェックするときに
見ているポイントや考え方
実際のコンセプトアート制作の進め方が
わかります

ただし
パースや色彩などの基礎的な解説は
含まれていません

添削パートをしっかり理解するには
別の本などで絵の基礎知識や技法も
あわせて学ぶ必要があります

「ファンタジー背景」描き方教室

「ファンタジー背景」描き方教室
Photoshopで描く! 心を揺さぶる風景の秘訣
よー清水 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/46YnDjU

難易度:中級者向け

一般的にコンセプトアートというと
こういった絵をイメージする人が
多いのではないかと思います

この本で得られる知識を
あえて分類するなら
コンセプトアートの3つの用途の中でも
とくに「出資者向けプレゼン資料」を
制作するときに役立つ内容に近いのかな
と感じました

ポイントを絞り
短時間で完成度を高めるための
ノウハウ
がまとめられています

本書では
10作品のメイキングを中心に
「視線誘導」「面の表現」
「オーバーレイのコツ」といった
基礎的な考え方に加えて
木・山・雲・草・岩などの自然物や
建築物などの人工物の基本的な描き方も
解説されています

必要に応じて
細かな部分まで丁寧に説明されており
とても実践的な内容です

まるで、親切な会社の先輩が
新人研修で教えてくれているような
1冊
だと感じました

絵の基本的な知識や技術が
ある程度身についていて
「描き込む部分」と「描かない部分」の
メリハリを意識しながら
短時間で完成度を高めたい人に
おすすめです

絵を描くには、さまざまな知識が
複合的に必要になることが
よくわかります

「この知識をここで使うのか!」
という発見があり
バラバラだった知識がつながったり
自分の理解度を確かめたりもできます

そのため、初級者には予習として
中級者以上には知識の整理や復習として
役立つ本だと思います

世界観の作り方

世界観の作り方
アイデア出しからデザインまで

わかりやすいコンセプトアート入門
有里 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/42tDMMZ

難易度:初級者~中級者向け

この本で得られる知識を
あえて分類するなら
「作品の方向性を決めるための
アイデア出し」に近い内容かな
と思いました

ただし、アイデア出し寄りの内容
とはいえ完成度は高く
「制作チームのあいだでイメージを
共有するための設計図」としての資料性も
十分あります

とにかく参考作品の数が多く
熱量もすごいです

全部描くのに
いったいどれくらいの時間が
かかったのか
知りたくなるほどでした

隅々までこだわって作られていて
まるで「分厚い薄い本(同人誌)」
のような1冊
です

思わず手元に置いておきたくなりました

内容としては、0→1
つまりゼロからアイデアを
生み出すことに特化
しています

ゲーム制作で求められる条件も
踏まえながら
アイデアの出し方や思考のプロセスが
わかる構成になっているので
「何を根拠にデザインしているのか」
という疑問に対する答えが
見えてくる
と思います

おもな内容は

  • コンセプトアートの仕事の流れ
  • リサーチや考える時間の重要性
  • 「アイデア出し」→「取材」→
    「デザイン」へ進むプロセス

アイデアが思いつかない人や
何を足がかりに考えればいいのか
わからない人におすすめです

本書では、竜宮城を題材に
約110ページにわたって
「アイデア出し」→「取材」→
「デザイン」までの流れと
その中で何を考えているのかについて
順を追って丁寧に解説しています

ただし
パースや色彩、ツールの使い方といった
基礎的な解説はありません

そうした部分は
別の本で補う必要があります

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アニメ背景について

アニメスタジオで教わる背景画の大原則

アニメスタジオで教わる背景画の大原則 神技作画シリーズ
増山 修 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4bkNTHp

難易度:中級者向け

背景会社の1年目に
教えてもらうような内容
です

基礎的な部分の解説はないので
この本だけで基本から
身につけることはできません

ですが
作品の完成度を一段上げるために
プロがどんなポイントを
チェックしているのかを学ぶことが
できます

絵の基本的な考え方と
その応用としての仕上げのコツが
まとめられています

経験の浅い人がやりがちな失敗や
絵が単調になってしまう原因と対策も
書かれています

ただし、背景会社や作品によって
考え方や描き方が異なる場合もあるため
本書の内容が絶対というわけでは
ありません

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絵を描くうえでの悩みについて

最近は、オンライン講座や
YouTube教材の普及で
絵を独学する人が増えていると思います

近くに相談できる先輩や同業者がいれば
質問したりアドバイスを
もらったりできますが
そうした環境にいない人も多いと思います

そこで僕がおすすめしたいのが
以下の本です

ずっとやりたかったことを、やりなさい。

ずっとやりたかったことを、やりなさい。
ジュリア・キャメロン 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4biwe2g

この本は、脚本家である著者が
本当はやりたいことがあるのに
自分の思い込みや
他人に否定された経験などが原因で
踏み出せずにいる友人や
やりたいことが見つからない知人
のために書いた本です

12週間かけて取り組む
自己省察のためのプログラムに
なっています
(平日30分、週末30~60分
ほどで終わる内容です)

課題は大きく分けると3つあります

  • モーニングページ
    毎日3ページ思いつくままに
    ノートに書き出す
  • アーティストデート
    週に1度、自由な自分の時間を
    過ごす
  • チェックインなどの課題
    子供のころに好きだった食べ物は?
    などといった簡単な設問について
    答えを書き出す

著者は精神科医でも
カウンセラーでもないため
理論的な根拠が
詳しく説明されているわけでは
ありません

ただ
僕自身がこの本の課題を
いくつか試してみたところ
誰かにアドバイスを
受けるわけでもないのに
自分で自然と問題点や改善点に気づいて
いくような感覚がありました

自分の原点を見つめ直し
自分の内側から答えを
見つけていくための本なので

  • 創作意欲がわかない
  • アイデアが浮かばない
  • 作りたいものがわからない

といった人にとっても
ヒントになると思います

詳しくはこちらの記事で解説しています

人生やらなくていいリスト

人生やらなくていいリスト
四角大輔 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/4tstzLB

この本は
何でもできる人を目指すのではなく
苦手なことを手放し
自分の得意なことや
自然に惹かれることを深めていこう
と思わせてくれる1です

著者自身の半生を通して
何を大切にして生きてきたのか
語られていて
自己理解やセルフプロデュースについて
考えたい人にも読みやすい本だと思います

強みがわからない人や
自分の軸を探したい人におすすめです

「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
が問題集だとすると
この本は回答例のような本
というのが個人的な印象です

2冊に共通しているのは
「ありのままの自分に戻る」ことの
大切さを語っている点です

ただし、この本は
ワークで自分の内側を掘るのではなく
著者自身がどう考え
どう選んできたのかを示してくれます

詳しくは、こちらの記事で解説しています

アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方

アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方
添削解説80点付き
室井 康雄(アニメ私塾) 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3Um62Oq

アニメーターを目指すひと向けの本です

この本を一言でいうと
先輩からのアドバイスをまとめたような本です
まるで先輩と雑談しているような感覚で
情報がすっと入ってきます

この本の特徴は、次の2つです

  • 考え方や心構えなど
    内容がとても充実していること
  • 著者がジブリに合格するまで
    どんな練習をしていたのかが
    具体的に書かれていること

おそらく「アニメ私塾」という
コミュニティやコンテンツで受けてきた
質問や相談も反映されているのでしょう

たとえば

  • 具体的にどんな練習を
    すればいいのか
  • どんな知識が必要なのか
  • 多くの人が経験しがちな失敗は何か

といった疑問に
答えてくれる内容になっています

プロ・アマを問わず、絵を練習する中で
多くの人がぶつかる悩みが
かなり幅広くカバーされている本だ
と思います

たとえば

  • 楽しいことは向いている
  • 自分を喜ばせる絵を描く
  • 環境づくり、習慣づくりが大切
  • 30分でも毎日描く
  • とにかく見て描く

といった考え方や心構えは
アニメーター志望の人だけでなく
イラストを描く人全般にも
参考になると思います

また、著者が19歳で
本格的に絵を描き始めてから
4年でジブリに合格するまでのあいだ

どの時期に何を考え
どんな練習をしていたのか

具体的に書かれています

そのため、自分と比較しながら
「自分ならどうするか」を
考える手がかりにもなります

独学で比較対象が少ない人にとっては
このロードマップがあるだけでも
大きな助けになる
と思います


詳しくは、こちらの記事で解説しています

絵が上手いより大事なこと

絵が上手いより大事なこと
永山裕子 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3HPhL0g

18年近く続けてきた
アニメ背景の仕事をやめて
絵を基礎から独学で学び直すなかで
同じ「絵を描く仕事」でも
画家はどんなことを考えているのだろう
と気になり
手に取ったのがこの本です

この本は一問一答形式で
モチーフの選び方や
モデルを描くときに感じていること
絵を描くうえで大切にしていることなど
絵を描く人なら誰もが抱くような
基本的な疑問に答えてくれる本
です

初心者・中級者を問わず
直接質問できる先生や先輩が
身近にいない人におすすめです

手元にこの本があれば
悩んだときに自分の考えを客観視したり
目指す方向を考えるための
指針のひとつにできる
と思います

無駄に悩む時間を減らして
創作に集中するための
助けになる1冊だと思います

詳しくは、こちらの記事で解説しています

良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば

良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば
ハービー・山口 著
[Amazonで見る]
https://amzn.to/40w5rLP

上手い写真や深い写真を撮るための
ヒントになるような短い言葉
まとめた本です

  • 自分にとって良い絵とは?
  • 描くことで何を手に入れたい?

アニメ背景の仕事を辞めたあと
上記のようなことを
考えるきっかけになった本のうちの
1冊です

技術を追求することに
意識が偏ってしまい
「表現したいことがない」
「描きたいものがない」
と感じている人におすすめ
です

何を描き続けていきたいのか
そんな生き方について考える
きっかけにもなると思います

1文が140字以内なので読みやすく
定期的にパラパラとめくりたくなる本です

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映画について

「映画技術入門」

「映画技術入門」
高良 和秀 著、 編集
ゆめの イラスト
[Amazonで見る]
https://amzn.to/3PgE9nt

この本を一言でいうと
120年にわたる映画史を
「技術の進歩」と
「それが作品に与えた影響」
という視点から整理した本
です

フィルムやカメラ、音響の発展と
それを取り入れた監督たちの表現が
わかりやすくまとまっています

各章の導入部分は
マンガになっていて、図解も多く
映画の技術や作品にあまり詳しくない人でも読みやすい構成です

さらに、実際の映画カットが
約700点掲載されているので
視覚的に理解しやすく
作品ごとの空気感も
つかみやすくなっています

監督が何にこだわり
なぜその機材を選んだのかが
時代背景とあわせて解説されています

そのため監督や年代だけでなく
スクリーンサイズや
フィルムとデジタル、白黒とカラー
といった違いにも注目しながら
映画を見比べたくなります

映画を
「技術の歴史を追体験するもの」
という視点で観ると、監督の狙いが
より見えてくるかもしれません

詳しくはこちらの記事で解説しています

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自分に合う本を選ぶために

本は、やみくもに増やすよりも
今の自分に必要な分野から選んだほうが
活かしやすいと思います

このページが
そのための入り口になれば嬉しいです

何から勉強すればいいか迷う方へ

本を選ぶ前に
「絵を描くときに必要な
知識の全体像を整理した記事」
を読むと
自分に合う本を選びやすくなります

本を読んだあとに
実際の練習へつなげたい方は
「描く習慣をつくるコツと
毎日できる基礎練習をまとめた記事
」も
おすすめです

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