初心者~中級者向け「絵」の勉強におすすめの本、約40冊!(難易度・読む順番)
絵を描くためには
色や光、画面構成、パース、画材など
さまざまな知識が必要です

そのため
絵を学び始めたばかりのころは
- どの本を読めばいいの?
- どの順番で読めばいいの?
と迷うこともあると思います
この記事では
17年ほどアニメ背景の仕事をしてきた僕が
実際に読んで役に立った本を
- 学べる分野
- 難易度
- おすすめの読む順番
に分けて紹介します
紹介する本や読む順番は
僕自身が実際に読んだ経験や
制作経験をもとに整理したものです
そのため
分野によって紹介する本の数や
説明の深さには差があります
何から読めばよいか迷っている方は
まず
「何から読むか迷う人におすすめの本」から
確認してみてください
そのあと
- 色・光
- 画面構成
- パース
など
自分が深く学びたい分野から
本を探すことができます
本を選ぶ前に
自分が何を学ぶ必要があるのか
全体像から整理したい方は
→ 絵を描くとき何を考える?必要な知識の分類と関係性を整理した記事も
参考にしてみてください
自分に合った本を探すための
参考になれば幸いです
何から読むか迷う人におすすめの本
絵の勉強を始めたいけれど
何から手をつければよいのか
わからない方には
まず
色・光・構図・パースなどを
幅広く扱った本で
どのような知識があるのか
全体像を確認する方法があります
その最初の1冊として
僕がおすすめしたいのが
『デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)』です
デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)

デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)
色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き
3DTotal.com 著
絵を描くのに必要な知識が
幅広くまとめられた本
難易度:初心者~中級者向け
※初心者が一度ですべてを理解するのは難しいですが
学ぶ内容の全体像を確認する本として使えます
この本を一言で言うと
色・光・構図・遠近法など
絵に必要な基礎知識の全体像を確認する
「地図」のような一冊です
上図で整理しているような
絵を描くための基礎知識が
幅広く扱われています
タイトルには
「デジタルアーティストが知っておくべき」
とありますが
Photoshopなどの
デジタルツールの操作方法を
解説した本ではありません
扱われているのは
次のような
絵を描くための基礎理論です
- 色
- 光
- 形
- 構図
- 遠近法
- 解剖学
図や作例が豊富で
幅広い分野を確認できますが
一つひとつの内容を
詳しく学ぶための本ではありません
初心者の場合は
最初からすべて理解しようとするより
どのような知識があるのか
全体像を知るために使うと
読み進めやすいと思います
中級者の場合は
それぞれの分野を詳しく学ぶ本というより
基礎知識を横断して確認する本として
使いやすいと思います
一通り目を通すことで
- 自分に今どんな知識が必要か
- 次にどの分野を深く学ぶか
を整理しやすくなります
何から勉強すればよいか迷ったときに
まず絵に必要な知識の全体像を確認するための
最初の1冊としておすすめです
色・光について
色や光について
どのような知識があり
それぞれがどう関係しているのかを
先に整理したい方は
→ 絵を描くときに必要な「光」と「色」の知識を
確認してみてください
目的に合わせて選ぶなら
色や光について学べる本は
扱う内容や向いている使い方が異なります
目的に近い本から
確認してみてください
- 絵の基礎知識全体の中で
色と光の位置づけを知りたい
→ 『デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則(改訂版)』 - オーバーレイや乗算などを使った
デジタルでの表現方法を知りたい
→ 『光と色のチュートリアル』 - 色と光の理論を
詳しく調べたい
→ 『色と光 マスターガイド』 - 豊富な絵の作例から
色と光の見え方や観察方法を学びたい
→ 『カラー&ライト』 - 写真や映像を通して
さまざまな光の現象を知りたい
→ 『画づくりのための光の授業』
これから色と光を学ぶ人におすすめの読む順番
これから色と光を学ぶ方は
基礎知識の全体像
↓
デジタルでの表現方法
↓
より詳しい理論
という順番で進むと
段階的に理解しやすいと思います

①デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)
最初に
色と光だけでなく
構図や遠近法を含めた
絵の基礎知識全体の中で
色と光がどのような位置づけにあるのかを
確認します
これから何を学ぶ必要があるのかを
整理するための最初の一冊です
→ この本の特徴を見る
②光と色のチュートリアル
次に
色や光の基本的な考え方を
デジタルイラストで
どのように表現するのかを学びます
全体像を確認したあとに
具体的な表現方法へ進むための本です
→ この本の特徴を見る
③色と光 マスターガイド
色と光について
さらに詳しく調べたいときに使う本です
扱う内容が幅広いため
最初からすべてを理解しようとするより
疑問が出たときに調べる
辞書のような使い方が
向いていると思います
→ この本の特徴を見る
基礎を学んだあと、目的に合わせて選ぶ本
ここからは
必ず順番に読む必要はありません
絵の作例から
色と光の見え方や観察方法を学びたい方
→ 『カラー&ライト』
写真や映像を通して
光の現象を広く知りたい方
→ 『画づくりのための光の授業』
興味や目的に合わせて
必要な本を選んでみてください
光と色のチュートリアル

光と色のチュートリアル
パク・リノ 著
光や色の基本的な考え方を
デジタルイラストで
どのように表現するのかを解説した本
難易度:初心者~中級者向け
参考画像にはイラストが多く
オーバーレイや乗算などの
レイヤー効果を使った描き方も紹介されています
漫画や図解が多いため
色と光について初めて学ぶ人でも
読み進めやすいと思います
一方で
- バリュー
- ハイキー
- ローキー
などの説明は
比較的シンプルです
色と光の理論を詳しく調べるというより
基本的な考え方を知り
デジタルイラストの表現へ
取り入れるための入門書として
使いやすい本だと感じました
色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践

色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践
3dtotal Publishing 編集
色や光について
理論から詳しく確認したいときに使える
辞書のような一冊
難易度:中級者~上級者向け
まったくの初心者が
最初からすべて理解するには
少し難しい本だと思います
一方で
色や光について
疑問が出たときに調べる本として
手元に置いておくと便利です
この本では
- 色彩理論
- 光の種類
- 光と物質の相互作用
- 陰影
- 反射
など
色や光を考えるための知識が
幅広く扱われています
図解が多いため
視覚的に確認しやすいですが
扱う内容は本格的で
理解するには時間がかかる部分もあります

「光」「色」に関する知識が
青線で示した部分です
色と光に関する知識が
幅広く扱われていることが分かります
理論編と実践編に分かれている
内容は次のように2部に分かれています
- 理論編
色や光の仕組み
陰影、反射などを詳しく解説 - 実践編
絵具やデジタルを使った
制作プロセスを紹介
実践編では
- 天候や時間帯を変更する方法
- アイデア出しから
一枚絵を完成させるまでの工程 - デジタルでラフを作り
絵具で仕上げる方法
などが紹介されています
色と光の理論だけでなく
一枚の絵を組み立てていく過程まで
確認できるところも
この本の特徴です
『光と色のチュートリアル』と
『色と光 マスターガイド』の違い
『光と色のチュートリアル』は
色や光の基本的な考え方を
デジタルイラストで
どのように表現するのかを学ぶ本です
それに対して
『色と光 マスターガイド』では
色と光の理論に加えて
デジタル技術を使いながら
一枚の絵を組み立てていく考え方まで
紹介されています
そのため
基礎的な表現方法を学んだあとに
色や光について
さらに詳しく調べたい人に
向いていると思います
こんな人におすすめ
- 色や光について
根拠を持って理解したい人 - 自分の専門外の描き方にも
興味がある人 - 必要なときに調べられる
色と光の本を手元に置いておきたい人
最初からすべてを
理解する必要はありません
疑問が出たときに
必要な項目を調べる
色と光の辞書のような使い方もできる本です
詳しくは
『色と光マスターガイド』のレビュー記事で
紹介しています
カラー&ライト
~リアリズムのための色彩と光の描き方~

カラー&ライト
~リアリズムのための色彩と光の描き方~
ジェームス・ガーニー 著
豊富な絵の作例から
色と光の見え方や観察方法を学べる本
難易度:中級者~上級者向け
- 光源
- 反射
- 影
- 色の見え方
などが
豊富な絵の作例とともに
紹介されています
そのため
自然界の光や色が
絵の中でどのように見えるのかを
確認しやすい本です
一方で
具体的な描き方や
絵に応用するための手順を
詳しく解説した本ではありません
『色と光 マスターガイド』のように
理論を詳しく調べるというより
絵の作例を見ながら
色や光をどう観察するのかを考えたい人に
向いていると思います
画づくりのための光の授業

画づくりのための光の授業
CG、アニメ、映像、イラスト創作に
欠かせない、光の仕組みと使い方
リチャード・ヨット 著
写真や映像を通して
さまざまな光の現象を広く確認できる本
難易度:中級者~上級者向け
一つの内容を
順を追って深く説明するというより
1ページごとに
異なる光の現象がコンパクトに紹介されています
なので
- 光の種類
- 反射
- 影
- 天候や環境による見え方
など
どのような光の現象があるのかを
簡潔に幅広く知ることができます
文章は読みやすい一方で
参考画像の多くが写真なので
その知識を
絵の中でどう使えばよいのかは
少し想像しにくいと感じました
そのため
色と光の基礎を学んだあとに読む方が
写真で紹介されている現象を
絵と結びつけて考えやすいと思います
終盤では
物理法則を理解したうえで
それだけに縛られず
画面に必要な光を
自由に表現することの大切さにも
触れています
『カラー&ライト』と
『画づくりのための光の授業』の違い
『カラー&ライト』が
絵の作例から
色や光の見え方を観察する本
だとすれば
『画づくりのための光の授業』は
写真や映像を通して
現実にどのような光の現象があるのかを
広く知る本
という違いがあります
画面構成(構図)について
構図というと
三分割法や黄金比を使って
主役をどこに置くかを考えること
という印象があるかもしれません
ただし
「構図」という言葉は
本や分野によって
扱う範囲が少し異なります
このブログでは
主役と脇役の優先順位を決め
- 配置
- 画面分割
- 視線誘導
などを使って
何をどの順番で見せるかを考えることを
「画面構成」と分類しています

一方
今回紹介する本では
- 何を見せたいのか
- 現実のどこを切り取るのか
- 線・形・明暗・色をどう整理するのか
といった内容まで含めて
「構図」と呼んでいる場合があります
そこでこの記事では
ブログ内の分類を示すとき → 「画面構成」
本の内容や一般的な構図法を説明するとき → 「構図」
という言葉を使います
主役を置く位置によって
どのような印象の違いがあるのか
先に確認したい方は
→ 画面内の位置が持つ心理効果を見る
画面構成と
- 表現・意図
- 光
- 色
- 形
- 空間
との関係から整理したい方は
→ 画面構成と、ほかの知識との関係を見る
ここからは
- 何を見せたいのかを考える
- 現実から画面を選ぶ
- 主役と視線の流れを考える
- 線・形・明暗・色を整理して絵に置き換える
という流れに沿って
構図や画面構成を学ぶのに
役立った本を紹介します
目的に合わせて選ぶなら
画面構成や構図について学べる本は
扱う内容や
アプローチが異なります
目的に近い本から
確認してみてください
三分割法や黄金比など
具体的な構図や配置の型から
「いい画面」の特徴を知りたい
→ 『名画から学ぶ写真の見方・撮り方』
構図だけでなく
被写体の探し方や撮影のアイデア
カメラやレンズの基礎まで知りたい
→ 『実践講座! 名画から学ぶ写真の見方・撮り方』
目を引く画面が
なぜ目を引くのか
視覚やデザインの原理から考えたい
→ 『PHOTOGRAPHER’S EYE』
写真や現実を
形や明暗に整理して
絵に置き換える基礎を練習したい
→ 『風景画のレッスン』
線、形、明暗、色を整理し
画面をシンプルに構成する方法を知りたい
→ 『Vision』
人物の配置やカメラ位置によって
人物関係や物語を伝えたい
→ 『filmmaker’s eye 第2版』
広角や望遠など
レンズによる空間の見え方を知り
人物同士の距離や
画面の印象を演出したい
→ 『filmmaker’s eye レンズの言語』
これから画面構成(構図)を学ぶ人に
おすすめの読み方
これから構図について学ぶ方には
完成した作品を見る
↓
現実を絵として整理する
という順番で進む方法がおすすめです
基本ルートは次の4冊です
- 『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』
- 『PHOTOGRAPHER’S EYE』
- 『風景画のレッスン』
- 『Vision』
を学ぶ本-ブログ.jpg)
①②では
完成した作品を見ながら
- 配置
- 画面分割
- バランス
- 視線誘導
など
「いい画面」が
どのように作られているのか
を考えます
③④では
写真や現実を
- 線
- 形
- 明暗
- 色
に整理して
絵として画面を構成する方法へ進みます
①『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』
最初に
三分割法や黄金比など
画面分割と配置の
基本的な型を学びます
完成した作品を分析するための
見方を知りたい人に
おすすめです
→ この本の特徴を見る
写真を撮るところまで学びたい人へ
『実践講座! 名画から学ぶ写真の見方・撮り方
「被写体の探し方」から
「名画を超える写真」まで』では
構図だけでなく
- 被写体の探し方
- 撮影のアイデア
- カメラやレンズの基礎
まで扱っています
構図についての解説は
『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』と
重なる部分も多いため
構図を学ぶために
2冊とも読むというより
実際に写真を撮るところまで知りたい人の
別の選択肢
として考えるとよいと思います
→ この本の特徴を見る
②『PHOTOGRAPHER’S EYE』
『名画から学ぶ〜』では
完成した名画を分析しながら
三分割法や黄金比など
画面の中で使われている構図を
確認していきます
それに対して
『PHOTOGRAPHER’S EYE』では
人が画面をどのように認識するのか
という
より本質的なところから
- 形
- 配置
- バランス
- 視線
などが
画面の中で
どのように働くのかを考えます
つまり
『名画から学ぶ〜』が
完成した作品を分析して
構図の特徴を知る本
だとすれば
『PHOTOGRAPHER’S EYE』は
人が画面をどう見るのかを考えながら
画面を組み立てるための考え方を学ぶ本
だと僕は捉えています
三分割法などの
具体的な構図法だけでなく
なぜその画面が目を引くのか
というところから
画面構成を考えたい人に
おすすめです
→ この本の特徴を見る
③『風景画のレッスン』
ここから
完成した作品を見るだけでなく
選んだ風景を
形や明暗に整理して
絵に置き換えるための基礎を練習します
→ この本の特徴を見る
④『Vision』
最後に
線、形、明暗、色を使って
画面をシンプルに構成する方法を
作例から学びます
構図の基礎を
一から説明する本ではないため
『風景画のレッスン』で
基本的な整理方法を学んだあとに読むと
作例で使われている考え方を
理解しやすいと思います
→ この本の特徴を見る
基礎を学んだあと
映像や物語について学びたい人へ
①~④では
完成した作品の見方から
現実を
線・形・明暗・色に整理し
一枚の画面として
構成するところまで進みます
そのあと
人物の配置やカメラ位置によって
人物関係や物語を伝えたい人は
→ 『filmmaker’s eye 第2版』
へ進むと
人物の大きさや位置、余白
カメラの高さや角度などを
演出に使う方法を学べます
さらに
広角や望遠など
レンズによる空間の見え方や
人物同士の距離感を学びたい人は
→ 『filmmaker’s eye レンズの言語』
この2冊は
構図を学ぶすべての人に
必要な本というより
- 人物や物語のある絵
- 絵コンテ
- イメージボード
- 映画のような画面作り
を学びたい人に
向いていると思います
『名画から学ぶ写真の見方・撮り方』
名画から学ぶ 写真の見方・撮り方
東京カメラ部、塚崎 秀雄 著
完成した名画や写真を分析しながら
構図の基本的な型と
「いい画面」の特徴を学べる本
難易度:初心者向け
この本では
三分割法や黄金比
対角線などの画面分割法を中心に
- リズム
- 画面の重さ
- 遠景・中景・近景
- リーディングライン
といった
画面作りの基本が紹介されています
特徴は
完成した名画や写真を
分析することから構図を学べることです
実際の作品に
分割線を重ねながら
- 主役がどこに置かれているか
- 画面がどのように分けられているか
- 要素がどのような関係で配置されているか
を確認できます
そのため
三分割法や黄金比などを
言葉だけで覚えるのではなく
実際の作品の中で
どのように使われているのか
を確認しやすい本です
構図を学び始めたときに
完成した作品を
どのように見ればよいのか
その入り口を知る本として
使いやすいと思います
一方で
具体的で真似しやすいぶん
分割法に当てはめること自体が
目的にならないように注意が必要だ
と感じました
三分割法や黄金比は
画面を考えるための手掛かりであって
型に当てはめれば
必ずよい画面になる
というものではありません
『実践講座! 名画から学ぶ写真の見方・撮り方
「被写体の探し方」から
「名画を超える写真」まで』
『実践講座! 名画から学ぶ写真の見方・撮り方
「被写体の探し方」から
「名画を超える写真」まで』
塚崎 秀雄 著
『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』の
著者の一人である
塚崎秀雄さんによる本です
構図だけでなく
被写体を探すところから
実際に写真を撮るまでを学べる本
難易度:初心者向け
『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』と同じく
- 構図
- コントラスト
- 配色
- 視線誘導
など
画面を構成する要素について
扱っています
一方で
大きな違いは
写真を撮るまでの過程も
扱っていることです
この本では
被写体の探し方や考え方
↓
構図を中心とした
画面の見方や配置
↓
錯覚などを利用した
撮影のアイデア
↓
カメラやレンズの基礎知識
というように
「何を撮るか」を考えるところから
実際に撮影するところまで
内容が広がっています
そのため
名画や写真を分析しながら
構図や配置の基本を知りたい人は
『名画から学ぶ 写真の見方・撮り方』
「こんな写真を撮りたい」と思ったときに
被写体探しから撮影まで知りたい人は
『実践講座!』
が選びやすいと思います
構図については
重なる内容も多いため
構図を学ぶために
2冊とも読む必要があるというより
自分の目的に合う方を
まず1冊選ぶ
という使い方でよいと思います
『PHOTOGRAPHER’S EYE』
PHOTOGRAPHER’S EYE
改訂完全版
写真の構図とデザインの考え方
マイケル・フリーマン 著
人が画面をどのように認識するのかを考えながら
画面を組み立てるための考え方を学べる本
難易度:初心者~中級者向け
『名画から学ぶ〜』が
完成した名画を分析しながら
三分割法や黄金比など
具体的な構図の型や
「いい画面」の特徴を確認する本だとすれば
『PHOTOGRAPHER’S EYE』では
人が画面をどのように認識するのか
というところから
- 形
- 配置
- バランス
- 視線
などが
画面の中で
どのように働くのかを考えていきます
そのため
構図の型を覚えるというより
なぜその画面が目を引くのか
どのように画面を組み立てればよいのか
という考え方を
学ぶ本だと感じました
この本は
カメラやレンズの使い方ではなく
- 何を画面に入れ
何を外すのか - どのように要素を配置するのか
- どのように画面を整理するのか
- 見る人の視線が
どのように動くのか
といった
構図とデザインの考え方を解説しています
比較画像や図解も多く
同じ写真でも
明るさや配置などの違いによって
見え方や視線の動きが
どのように変わるのかを確認できます
『名画から学ぶ〜』で
完成した作品を分析するための
基本的な見方を知ったあとに
なぜその構図が機能するのか
というところまで
掘り下げて考えたい人に
おすすめです
この本については
こちらの記事で詳しく紹介しています
→ 『PHOTOGRAPHER’S EYE』で「目を引く写真」の理由をどう整理したのかを見る
『風景画のレッスン』
風景画のレッスン
形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
現実の風景を
形や明暗に整理して
絵に置き換える基礎を学べる本
難易度:初心者~中級者向け
この本では
- 形
- 明暗
- 構図
- 色
など
風景画を描くための
基本的な考え方がまとめられています
特徴は
説明を読むだけでなく
シンプルな練習課題を通して
実際に手を動かしながら学べることです
たとえば
写真に矢印を描いて
リーディングラインを探したり
明暗を
少ない階調に整理したりしながら
複雑な風景を
絵として分かりやすくまとめる方法を
練習できます
『名画から学ぶ〜』や
『PHOTOGRAPHER’S EYE』では
完成した画面を見ながら
配置や視線
画面のバランスなどを考えました
『風景画のレッスン』では
そこから一歩進んで
目の前の風景を
どう整理して絵に置き換えるのかを
練習します
そのため
構図について学んだあと
実際に自分で
画面を作る練習へ進みたい人に
おすすめです
次に紹介する
『Vision』を読む前に
この本で
- リーディングライン
- 形の整理
- 明暗の単純化
などを練習しておくと
『Vision』の作例で使われている
線や明暗の意図も
理解しやすくなると思います
『Vision』
Vision
ストーリーを伝える:色、光、構図
ハンス・P・バッハー 著
サナタン・スルヤヴァンシ 共著
線・形・明暗・色を使って
画面をシンプルに構成する方法を
豊富な作例から学べる本
難易度:中級者向け
この本では
- ライン
- シェイプ
- 明暗
- 色
など
画面を構成する要素が
多くの作例とともに
紹介されています
特徴は
文章で順を追って
詳しく説明するというより
完成した作例を見ながら
画面がどのように整理されているのかを
自分で読み解いていく本
であることです
たとえば
- どの線が視線を誘導しているのか
- 大きな形をどうまとめているのか
- 明暗をどこまで単純化しているのか
- 色をどのように整理しているのか
といったことを
作例を見ながら
確認できます
一方で
リーディングラインの探し方や
明暗を2階調・3階調に整理する方法など
構図や画面整理の基礎を
一から説明する本ではありません
そのため
『風景画のレッスン』で
- リーディングライン
- 形の整理
- 明暗の単純化
などを練習したあとに読むと
作例の中で使われている
線や明暗の意図を
理解しやすくなりました
僕の場合は
作例を眺めるだけでなく
実際に真似して描いてみることで
読むだけでは気づかなかった
画面の整理方法にも
気づきやすくなりました
そのため
回答例つきの問題集を見るように
作例を分析しながら使う本
だと考えています
→ 『Vision』を参考に練習した記事を見る
パースについて
僕は主に
建築家が書いたスケッチ本と
大学の製図の授業で
パースの基本を身につけました
建築パースでは
- 1点透視図法
- 2点透視図法
- 3点透視図法
など
透視図法を使って
空間を作図するための基礎を
学ぶことができます
一方
漫画やイラスト、アニメでは
正確に作図することだけでなく
- 自然に見えるか
- 意図に合った見え方になっているか
- 分かりやすい画面になっているか
といった
表現としてのパースも
重要になります
広角や望遠など
レンズによる見え方や
俯瞰、あおりといった
カメラ位置による印象も
画面を作るための
要素になります
そのため
これからパースを学ぶ方には
まず建築パースの本などで
1~3点透視図法の基本を学び
そのあと
漫画やイラスト
アニメなどで使われる
目的に応じたパースの使い方を学ぶのが
わかりやすいと思います
僕自身
アニメ背景の仕事を始めたころは
消失点を基準に
できるだけ正確に描くことを
意識していました
しかし
仕事を始めて1年ほど経ったころから
少しずつ
消失点を厳密に取らずに
描くようになりました
理由は
- 正確に作図すると時間がかかる
- 正確に描いても
必ずしも自然に見えるとは限らない
と感じるようになったためです
それまで
正確な透視図法を基準にしていたので
そこから離れて描くことは
簡単ではありませんでした
ただ
パースを守ることより
画面として自然に見えることを優先する
という考え方は
アニメ背景を描くうえで
大きな変化でした
ここでは
イラストレーターと
アニメーターが書いたパースの本を
2冊紹介します
どちらも
1~3点透視図法の基本には
触れていますが
パースをある程度理解したあとに
表現へ応用するための内容
も多く含まれています
そのため
パースを初めて学ぶ方は
まず建築パースの本を
何冊か見比べて
自分に合ったものから
基本を学ぶのがおすすめです
吉田誠治作品集&パース徹底テクニック
吉田誠治作品集&パース徹底テクニック
吉田誠治 著
透視図法の基礎を知ったあとに
イラスト制作で
パースをどう使うのかを学べる本
難易度:中級者向け
この本だけで
パースを一からすべて理解するのは
少し難しいと思います
一方で
1~3点透視図法の基本を
ある程度理解したあとに読むと
イラストレーターが
パースをどのように使って
画面を作っているのかを
知ることができます
この本では
- 写真から消失点を探す
- 身近なものと人物の大きさを比較する
- 魚眼パース
- 人物からパースを決める
- パースを使わずに背景を描く
- 消失点のない自然物を描く
など
透視図法を使った作図だけでなく
画面や描くものに合わせて
パースをどう使うのか
という考え方まで紹介されています
特に僕が参考になったのは
人物を基準に
背景の大きさやパースを考える方法や
必ずしも消失点を取らずに
背景を描く考え方です
パースの基本を学んだあと
透視図法を実際のイラスト制作で
どう使えばよいのか知りたい人に
参考になると思います
アニメ私塾流
最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術
アニメ私塾流
最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術
室井 康雄(アニメ私塾) 著
難易度:中級者~上級者向け
この本では
パースの知識だけでなく
広角・望遠など
基本的なレンズの知識も使うため
それらをある程度理解してから読む方が
内容をつかみやすいと思います
この本を読むと
アニメーターが
人物と背景を一つの画面に配置するとき
どのような点を考えているのか
を確認できます
おもな内容は
- 身近なものと人物の大きさを比較する
- 広角・望遠を描き分ける
- レイアウトと視線誘導
- 画面上の人物に合わせて背景を描く
- 消失点を使わずに背景を描く
- 演出意図に合わせて作図を修正する
などです
特に
先に人物を画面へ配置し
その人物を基準に背景を考える
という方法は
透視図法から
空間を作図していく方法とは
少し違った考え方です
また
単にパースが正しいかどうかだけでなく
- 何を見せたいのか
- 視線をどこへ誘導するのか
- 広角や望遠をどう使うのか
といった
演出意図に合わせて画面を作る考え方も
紹介されています
『吉田誠治作品集&パース徹底テクニック』が
イラスト制作の中でパースをどう使うのかを
見る本だとすれば
この本では
人物・背景・レンズ・視線誘導を組み合わせて
一枚の画面をどう成立させるのか
という
アニメーターの考え方を
確認しやすいと思います
パースの基本を学んだあと
人物のいる画面で
パースをどのように使うのか知りたい人に
参考になる本です
補足|パースの知識を整理したい人には
『デジタルアーティストが知っておくべき
アートの原則(改訂版)』
この本にも
- 1~3点透視図法
- 代表的な投影法
- 奥行きの表現方法
など
パースや奥行き表現の基本が
コンパクトに整理されています
ただし
初めてパースを学ぶための
詳しい入門書というより
一度学んだ知識を
整理・確認するために使いやすい本
だと感じました
こうした基礎を
ある程度学んだあと
自分の知識を
もう一度整理したいときに
参考になると思います
→ 『デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則(改訂版)』の詳しい紹介を見る
混色について(色を作る)
色を作る方法には
絵具を混ぜる方法だけでなく
透明色を重ねて作る方法もあります
そこで
この章では
「混色」だけでなく
色を作る方法
として整理しました
大きく分けると
次の3つです
- 3原色を中心に混ぜて色を作る
- 3原色
- 分裂3原色
- 近い色にグレーを加えて調整する
- 白と黒
- 暖色のグレー・寒色のグレー
- 透明色を重ねて色を作る
- グレージング

それぞれ
使う色や色の作り方に違いがあります
このあと
それぞれの考え方と
参考になった本を紹介します
3原色や分裂3原色の混色について
考え方や
メリット・デメリットまで
詳しく確認したい方は
→ 混色について詳しくまとめた記事を見る
また
混色を
絵具や紙の性質から理解したい方には
『見たい! 聞きたい! 透明水彩!』も
参考になります
→ 絵具・紙・混色の仕組みを学べる本についての感想記事
を見る
3原色を使った混色

3原色で考える混色では
作りたい色が
- もっと赤っぽいか
- 青っぽいか
- 黄色っぽいか
というように
赤・青・黄の3方向から
色を考えることができます
使う色を絞って考えられるため
混色に慣れていない人でも
考え方を整理しやすい方法です
三原色を極める『大人の水彩画塾』

三原色を極める『大人の水彩画塾』
青江健二 著
透明水彩の赤・青・黄の3色だけを使って
混色しながら絵を描く流れを学べる本
難易度:初心者向け
この本では透明水彩の
- 赤
- 青
- 黄
の3色だけを使って
さまざまな色を作りながら
絵を描いていきます
使う色が3色に限られているため
作りたい色に対して
赤・青・黄を
どのくらい混ぜればよいのか
という考え方を
追いやすいのが特徴です
この本で使われているのは
ホルベイン透明水彩の
- ピロールレッド
- イミダゾロンレモン
- フタロブルー レッドシェード
の3色です
3原色による混色を
色見本だけでなく
実際に絵を描く流れの中で
確認したい人に
参考になると思います
分裂3原色を使った混色

分裂3原色について学びたい方は
まず
考え方を理論から確認するのか
それとも
実際の作品での使い方を見るのか
によって
本を選ぶと分かりやすいと思います
色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践
色と光 マスターガイド
イラスト上達のための理論と実践
分裂3原色の考え方を
理論から整理したい人向けの本
難易度:中級者~上級者向け
この本では
- 印刷の3原色
CMY - 絵具の3原色
RBY - 分裂3原色
について触れながら
明度、色相、彩度や色相環の基本が
紹介されています
混色の具体的なコツを
詳しく解説した本ではありません
そのため
分裂3原色とは
どのような考え方なのかを
理論から確認したいときに
参考になります
風景画のレッスン
形・構図・色の基礎知識
風景画のレッスン
形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
限られた色を使って
実際に絵を描く例を見たい人向けの本
難易度:中級者向け
この本も
基本的な混色の方法を
詳しく説明した本ではありません
色についての項目の中で
実際のパレットと作品を例に
使う色を限定して描く方法の一例が
紹介されています
そのため
分裂3原色の考え方を
理論だけでなく
実際の作品の中で
どのように色を選んでいるのかを
確認したい方に
参考になると思います
近似色+グレー
作りたい色に近い色を選び
そこへグレーを加えて
明るさや鮮やかさを調整する方法です

ここでは
使用するグレーによって
- 白と黒で作るグレー
- 暖色のグレー・寒色のグレー
の2つに分けています

近似色+白と黒
色彩・配色・混色
美しい配色と混色のテクニックをマスターする

色彩・配色・混色
美しい配色と混色のテクニックをマスターする
ベティ・エドワーズ 著
目の前の色を観察しながら
混色で再現する方法を実習から学べる本
難易度:初心者向け
この本は
色彩を理解し
配色や混色ができるようになることを目指した
ワークショップを書籍化したものです
ステップごとの課題に取り組みながら
少しずつ理解を深めていくことができます
タイトルの通り
- 色彩
- 配色
- 混色
について扱っていますが
僕が特に参考になったのは
混色のパートです
混色では
目の前にある色を
色相 → 明度 → 彩度
の順に観察して
その色を
絵具で再現していく方法が
紹介されています
実際に手を動かしながら学べるため
混色を
なんとなく感覚だけで行うのではなく
色を観察して
どのように再現するのか
という考え方を
整理しやすい本だと感じました
また
目の前の静物の色を
絵具で再現しながら描く
静物画の課題も用意されています
混色を基礎から
実習を通して学びたい方に
参考になると思います
一方で
油絵やアクリル絵具のような
不透明絵具には使いやすい方法ですが
透明水彩では
少し使いにくいと感じました
→ この本について詳しく紹介した記事を見る
配色の教科書

配色の教科書
歴史上の学者・アーティストに学ぶ
「美しい配色」のしくみ
色彩文化研究会 著
城 一夫 監修
純色・白・黒の関係から
古典の名画に使われている色を整理する考え方を学べる本
難易度:中級者向け
この本では
純色・白・黒を頂点とした
カラートライアングルを使って
白や黒
グレーを加えながら
色を整理する考え方が
紹介されています
混色の具体的な手順を
学ぶための本ではありませんが
この章では
「近似色+白と黒」に近い
色の考え方を確認できる本
として紹介しています
→ 『配色の教科書』の詳しい紹介を見る
近似色+暖色のグレー・寒色のグレー
作りたい色を
できるだけ忠実に再現するのではなく
絵を描きながら
- 暖色か寒色か
- どのくらい鮮やかにするか
を考えて色を作る場合は
暖色のグレー・寒色のグレーを基準に
そこへ色を加えていく
という考え方もあります
白と黒で作るグレーを使う方法とは
色の作り方を考える
出発点が少し異なります


グレージング
グレージングとは
絵具を混ぜて色を作るのではなく
乾いた色の上から
透明色を重ねることで
色を作る方法です

Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
ジーン・ドビー 著
透明色を重ねながら
色を作るグレージングを学べる本
難易度:脱初心者を目指す人~中級者向け
この本では
グレージングの一例として
黄 → 赤 → 青
の順に透明色を重ねながら
色を作る方法が紹介されています
パレットの上で
絵具を混ぜて色を作る方法とは違い
透明色を重ねることで
どのように色が変化するのか
を確認できます
混色だけでなく
透明水彩の重ね塗りによる
色の作り方も知りたい方に
参考になると思います
画材について
見たい! 聞きたい! 透明水彩!
見たい! 聞きたい! 透明水彩!
画家と化学者が語る技法と画材
あべとしゆき 著、小杉弘明 著
絵具や紙などの性質から
透明水彩の仕組みを理解できる本
難易度:初心者~中級者向け
この本では
- 絵具の歴史
- ラベルの読み方
- 顔料や材料
- 筆
- 紙
- 透明水彩の技法
など
透明水彩の画材について
幅広く紹介されています
混色の方法を
詳しく学ぶ本というより
- 顔料によって何が違うのか
- 紙への染み込み方で
発色がどう変わるのか - なぜ混色が
色相環どおりにならないことがあるのか
など
絵具や紙が
どのような性質を持っているのかを
理解したい方に参考になる本です
僕の場合も
透明水彩を
描き方だけで覚えるのではなく
画材の性質から考えるための参考に
なりました
→ 『見たい! 聞きたい! 透明水彩!』を読んだ感想と詳しい内容を見る
人体・生物について
人物や生物を描くための知識を
この章では
大きく次の3つに分けています
- 構造
→ 解剖学 - 動き
→ ジェスチャードローイング - デザイン
→ キャラクターデザイン・造形設計

それぞれ役割が異なります
構造を知ることで
骨格や筋肉を意識しながら
形を考えることができます
動きを捉えることで
人物や生物の
勢いや重さを表現しやすくなります
デザインでは
何を強調し
どのように見せるのかを考えます
ただし
実際に人物や生物を描くためには
この3つだけでなく
立体や運動など
それぞれを支える知識や技術も関係します

すべてを扱うと複雑になるため
この記事では
中心となる
- 解剖学
- ジェスチャードローイング
- キャラクターデザイン・造形設計
の3つに絞って
参考になった本を紹介します
解剖学

解剖学では
骨格や筋肉など
人体の構造を知ることで
角度やポーズが変わっても
形を考えやすくなります
やさしい人物画

やさしい人物画
A. ルーミス 著
人物を立体として組み立て
パースに載せて描く考え方を学べる本
難易度:初心者~中級者向け
この本では
- 8等身を基準としたプロポーション
- 人物をパースに載せる方法
- 骨格・筋肉
- 省略した骨格
- 人体をブロックとして考える方法
などが紹介されています
解剖学の資料集というより
骨格や筋肉の知識を使いながら
人物を立体としてどう組み立てるのか
を学ぶための本です
特に
平面的に考えた人物を
パースのある空間へ配置する方法は
人物と背景を一緒に描くときにも
参考になります
一方で
直立した人物の
- 正面
- 横
- 背面
の骨格や筋肉の資料はありますが
さまざまな角度やポーズについて
詳しく確認できる
解剖学資料集ではありません
そのため
細かな筋肉や骨格を
資料として調べるというより
人物を立体として捉え
画面の中に配置する考え方を学びたい人に
参考になると思います
ジェスチャードローイング

ジェスチャードローイングは
形を細かく描くことより
動きや勢い
見たときの印象を
短時間で捉えることを
重視した描き方です
解剖学が
骨格や筋肉などの
構造を理解するための知識だとすれば
ジェスチャードローイングでは
- 動き
- 重さ
- 勢い
- ポーズの流れ
などを
少ない線や形で
どう捉えるか
を考えます
ここでは
ジェスチャードローイングの考え方や
人物を簡略化して描く方法
さらに
スケッチを続けるうえで
参考になった本を紹介します
カフェスケッチ / CAFE SKETCH
感じることはタカラモノ

カフェスケッチ / CAFE SKETCH
感じることはタカラモノ
栗田 唯 著
大量のスケッチとともに
絵との向き合い方や自分の強みを考えられる本
難易度:初心者~中級者向け
この本は
ジェスチャードローイングの
描き方を詳しく解説した本ではありません
アメリカの美術大学へ進学した著者が
絵の技能だけでなく
自分の内面と向き合いながら
悩みを乗り越え
自分の強みを見つけていく過程が
まとめられています
ストーリーボードなどの解説もありますが
中心になっているのは
学生時代に描いた
大量のスケッチです
線画中心のスケッチを見ていると
完成度の高い一枚を描くだけでなく
日常の中で
たくさん描き続けること
の大切さを感じました
ジェスチャードローイングの
具体的な方法を学ぶというより
- スケッチを続けたい
- 自分の絵に自信がない
- 自分らしい絵について考えたい
- 描くこととの向き合い方を見直したい
という人に
参考になる本だと思います
10パーセントの力で描く
はじめてのジェスチャードローイング

10パーセントの力で描く
はじめてのジェスチャードローイング
砂糖 ふくろう 著
動きや印象を少ない線と形で捉える方法を
段階的に学べる本
なお
この本は
著者のXで全ページ無料公開されているので
以下の投稿から
全ページを見ることができます
→ Xの投稿で全ページを見る
内容を確認してから
手元に置きたいと思った方は
書籍版を購入することもできます
難易度:初心者~中級者向け
「気楽に、サボりながら、いっぱい描く」
というスタンスの本です
参考写真と
描いた作例が並んでいて
どこを見て
どのように簡略化しているのかを
確認しながら読むことができます
おもな内容は
- ラインオブアクション
- 丸と線を使った人物の簡略化
- 球と円柱を使った人物の簡略化
などです
最初は
1本の線で
ポーズの印象を捉えるところから始まり
丸と線
球と円柱と
少しずつ情報を増やしながら
人物を捉えていく
構成になっています
僕が特に参考になったのは
作例と元の写真を比べると
形がかなり誇張されていたことです
写真をそのまま写すのではなく
動きや印象が伝わるように
どこまで形を変えてよいのかを
考えるきっかけになりました
この本を読んで練習してから
- ラインオブアクションを考える
- 電車で人物をスケッチする
- 棒人間でアイデアをメモする
といったことも
するようになりました
特に電車で人物を描くときは
以前は
見えている足だけを描くことが
多かったのですが
ジェスチャードローイングを
参考にするようになってから
全身の動きや姿勢を
捉えようとするようになりました

完成度の高い絵を描く時間がなくても
簡単な形でいいから描く
という選択肢が増えたことも
僕には大きな変化でした
なお
この本では
服を描くときの考え方は
詳しく扱っていません
服を着た人物を描きたい方は
次の
『はじめてのジェスチャードローイング
着衣とビッグシェイプ』
へ進むと分かりやすいと思います
はじめてのジェスチャードローイング
着衣とビッグシェイプ

はじめてのジェスチャードローイング
着衣とビッグシェイプ
砂糖 ふくろう 著
服の細かなシワではなく
大きな形から着衣の人物を捉える方法を学べる本
この本も前著と同じく
著者のXで全ページ無料公開されているので
以下の投稿から
全ページを見ることができます
→ Xの投稿で全ページを見る
内容を確認してから
手元に置きたいと思った方は
書籍版を購入することもできます
難易度:初心者~中級者向け
『10パーセントの力で描く
はじめてのジェスチャードローイング』
の続きにあたる本です
前の本では
人物の動きや印象を
少ない線や形で捉える方法を
学びました
この本では
そこから一歩進んで
服を着た人物を
どのように簡略化して捉えるのかを
学びます
特徴的なのは
細かなシワを
一つずつ追いかけるのではなく
服全体を
大きな形のまとまり
として考えることです
僕が特に印象に残ったのは
服のシワを
見たまま写すのではなく
形や動きが伝わるように
整理して描くという考え方でした
それまで僕は
シワも観察したものを
できるだけそのまま描くものだと
考えていたので
この考え方は
かなり印象に残りました
服を着た人物を描くと
細かなシワに
目が行きすぎてしまう人や
人物全体の動きが
硬くなってしまう人には
参考になると思います
キャラクターデザイン、造形設計
キャラクターデザインや造形設計では
構造や動きを踏まえながら
何を強調し、何を省略するのか
を考えます

たとえば
- シルエット
- 形の特徴
- 誇張と省略
- 作品の目的や世界観
などを使って
どのような印象に見せたいのかを
整理していきます
ここでは
人物だけでなく
動物や人工物、自然物など
さまざまなものを
デザインするときに参考になった本を
紹介します
ロレンツォのドローイングチュートリアルvol.1

ロレンツォのドローイングチュートリアルvol.1
HOW TO THINK WHEN YOU DRAW
ロレンツォ・エザリントン 著
人物や動物 人工物などを
形の整理や誇張からデザインする考え方を学べる本
難易度:初心者~上級者向け
この本では
- キャラクターデザイン
- 動物
- 車や機械
- レイアウト
- 自然物
- 空想の建築物
など
幅広い題材が扱われています
単に作例を紹介するだけでなく
どこに注意するのか
なぜそのように描くのか
という考え方まで
図と文章で説明されているのが特徴です
そのため
作例をそのまま真似するだけでなく
別の題材へどう応用するかを考えながら
読むことができます
また
単体のキャラクターや物だけでなく
- 画面構成
- 視線誘導
など
一枚の画面を
どう見せるのかについても
触れられています
人物だけでなく
動物や建物、乗り物など
さまざまなものを描くときに
形をどう整理し
どこを強調すればよいのか
迷ったときに
確認できる本だと思います
色相環・配色について
配色の教科書

配色の教科書
歴史上の学者・アーティストに学ぶ
「美しい配色」のしくみ
色彩文化研究会 著
城 一夫 監修
色相環や配色理論の歴史と
古典絵画での使われ方を学べる本
難易度:中級者向け
この本では
- 色相環や色の調和についての歴史
- 色彩理論が画家に与えた影響と作品例
- 建築・工業製品・ファッションなどの配色
などが紹介されています
僕が特に面白かったのは
純色・白・黒を頂点とする
カラートライアングルを使って
レオナルド・ダ・ヴィンチや
ターナーなどの作品を
分析している部分です
僕はこの本を読むまで
少しずつ形の違う色相環や
カラートライアングルが
なぜこれほど多く存在するのか
よく分かっていませんでした
それぞれの理論と
実際の絵画を一緒に見ることで
色彩理論が
実際の絵づくりにどう使われてきたのかを
考えやすくなりました
色相環を
単に色を選ぶための道具として見るだけでなく
それぞれの理論が
どのような考え方から作られたのか
まで知りたい方に
参考になると思います
この本を読んで特に参考になった
ドラクロワの色彩三角形や
カラートライアングルについては
自分で試した光と影の実験や
混色とのつながりも含めて
別の記事で詳しくまとめています
→ 『配色の教科書』で知った色彩三角形とカラー・トライアングル
について詳しく見る
風景画について
ここで紹介する3冊は
著者の経歴や
作品の方向性はかなり異なります
ただし
共通しているのは
色や形を単純化して
風景の印象をどう捉えるか
を重視している点です
白黒2色
白黒グレーの3階調
限られた色などを使いながら
- 明暗
- 大きな形
- 色
- 構図
を整理して
何を残し
何を省くのか
を考えていきます
ここでは
- 基礎を課題で練習する本
- 短時間の屋外スケッチを学ぶ本
- 色や構図の使い方を深める本
の3冊を紹介します
風景画のレッスン
風景画のレッスン
形・構図・色の基礎知識
ミッチェル・アルバラ 著
形・明暗・構図・色を整理しながら
風景画の基礎を課題で学べる本
難易度:初心者~中級者向け
この本では
- 形
- 明暗
- 構図
- 色
など
風景画を考えるための
基本的な要素が
整理されています
特徴は
説明を読むだけでなく
シンプルな課題を通して
実際に手を動かしながら学べることです
たとえば
写真に矢印を描いて
視線の流れを確認したり
写真をトリミングして
構図を考えたり
明暗を少ない段階に整理したりします
僕の場合は
写真に矢印を描き込んだり
トリミングしたりする課題が
視線誘導を考えるうえで
特に参考になりました
風景を描くときに
細部から描き始めるのではなく
大きな形や明暗から
画面を整理する練習をしたい人
に参考になると思います
ネイサン・フォークスが教える
ランドスケープ水彩スケッチ
光と空気、印象を1時間でとらえる方法
ネイサン・フォークスが教える
ランドスケープ水彩スケッチ
光と空気、印象を1時間でとらえる方法
ネイサン・フォークス 著
ネイサン・フォークスは
アニメーションや映画の
ビジュアル開発にも携わる
アーティストです
短時間の屋外スケッチで
光や空気の印象を捉える方法を学べる本
難易度:初心者~中級者向け
この本は
屋外スケッチを中心に
透明水彩を使って
短時間で風景の印象を捉える方法を
紹介した本です
内容は
- 絵の基礎
- 水彩画のメイキング
- 作品ギャラリー
などで構成されています
練習方法として
- 模写する
- 色数を絞って描く
- 同じ場所を時間帯を変えて描く
- 小さなサイズで描く
なども紹介されています
特に参考になるのは
メイキング途中の画像だけでなく
もとになった写真も掲載されていることです
写真と完成した絵を比べることで
何を省略して
どこを強調しているのか
を確認できます
使用した絵具も
紹介されているので
僕は実際に
何枚か模写してみました
印刷された作品だけでは
分かりにくい色も
使用した絵具を見ることで
原画ではどのような発色だったのかを
想像する手掛かりになりました
また
『Vision』では
作例から読み取ることが多かった
シンプルに描くための考え方や手順についても
こちらの本では確認しやすいと感じました
屋外で
細部まで描き込むのではなく
光や空気
その場所の印象を残したい人に
参考になると思います
Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
Making Color Sing
色彩と構図が奏でるハーモニー
ジーン・ドビー 著
色・明暗・構図を使って
風景を魅力的に見せる考え方を学べる本
難易度:脱初心者を目指す人~中級者向け
この本では
- グレージング
- 混色
- 補色
- グレーの使い方
- 構図
などを
シンプルな実験や作例を通して
学ぶことができます
僕が特に
すぐ試してみたいと思ったのは以下の2つです
黄 → 赤 → 青の順に
透明色を重ねるグレージング

黄を光面 青を影面として捉えるスケッチ

黒の濃淡だけで描くと
明るい部分と暗い部分の境目を
捉えにくいことがあります
黄と青に置き換えることで
光と影を分けながら
風景をシンプルに捉える
練習になります
ほかにも
- 透明色を中心に使う
- グレーを効果的に使う
- 補色で色を引き立てる
- 紙の白を生かす
- 風景でよく使う茶色や緑を作る
など
色を魅力的に見せるための
さまざまな考え方が
紹介されています
僕が特に印象に残ったのは
絵を際立たせるうえで
構図パターンが重要だという考え方です
下の図は
「構図パターン」というには
少し描き込み過ぎていますが
細部まで描き込む前に
大きな明暗や形の段階で
画面が印象的に見えるか
を考えるための参考になると思います

この段階で
画面が印象的に見えなければ
描き込んでも
印象的な絵にはなりにくい
という考え方が
特に印象に残りました
基本的な内容から
丁寧に説明されていますが
ある程度
絵を描いた経験がある人の方が
なぜこの方法を使うのか
まで理解しやすい本だと思います
色の使い方だけでなく
明暗や構図まで含めて
風景画を見直したい人に
参考になると思います
イラスト制作全般について
色やパース、画面構成などを
個別に学んだあと
それらを実際のイラスト制作で
どう組み合わせて使うのかを
考えたい人に向けた本を紹介します
新装版
ルーミスのクリエイティブイラストレーション
新装版 ルーミスのクリエイティブイラストレーション
A. ルーミス 著
色・パース・画面構成などを使いながら
一枚のイラストを組み立てる考え方を学べる本
難易度:中級者~上級者向け
この本では
- トーン
- 色彩
- 遠近法
- 構図
などの考え方に加えて
- ポスター
- 広告
- 表紙
- 挿絵
など
目的に合わせて
イラストを制作するときの考え方が紹介されています
さらに
アイデア出し → ラフ → 仕上げ
まで
一枚のイラストを作る中で
何を考えるのかを
制作全体を通して確認できます
僕は
初歩的な説明は少ないと感じたため
これから絵を始める人よりも
- 基礎をある程度学んだ人
- プロを目指している人
- 自分の制作方法を見直したい人
に向いている本だと思います
原著は古い本なので
画材や言い回しに
古さを感じる部分もありますが
イラストをどのように考え
一枚の絵として組み立てるのか
という部分は
現在の制作でも参考になると感じました
→ 『ルーミスのクリエイティブイラストレーション』で、一枚のイラストを組み立てる考え方を詳しく見る
映像演出について
映画やアニメの画面を参考にするとき
なぜこの構図なのか
なぜこの位置から撮っているのか
という演出意図まで理解すると
表現を応用しやすくなります
映像では
- フレーミング
- 上手・下手
- レンズ
- カメラワーク
- カットのつながり
- 人物の動きや目線
などを使って
見る人に与える印象を変えています
カメラワークや
カットのつながりは
映像ならではの表現ですが
フレーミングやレンズによる見え方などは
漫画やイラストを考えるときにも
参考になります
ここでは
映像で何をどう伝えるのか
という演出の考え方を学べる本を紹介します
アニメ鑑賞が
爆爆爆爆爆発的におもしろくなる演出の話
アニメ鑑賞が
爆爆爆爆爆発的におもしろくなる演出の話
鈴 著
「演出とは何か」を
アニメを題材に幅広く学べる入門書
難易度:初心者向け
この本では
- アニメ演出家の仕事内容
- カメラワーク・フレーミング
- 上手(かみて)・下手(しもて)による
心理的な効果 - 効果音・セリフ・動作・小物などの芝居
- レンズ
- 色の使い方
など
アニメを作るときに考える
基本的なことが
幅広く紹介されています
「演出って何だろう?」
という人が
アニメでは
どんなことを考えながら
画面を作っているのかを知るための
入口として読みやすい本
だと思います
専門的に映像制作を学んでいる人には
物足りない部分もあると思いますが
まず一通り読んでおくと
自分が次に
何を詳しく学びたいのかを
探す手掛かりになると思います
映像の原則 改訂二版
映像の原則 改訂二版
富野由悠季 著
映像を作るときに考える原則を
幅広く学べる本
難易度:初心者~上級者向け
この本では
- イマジナリーライン
- 移動の速度
- カットのつなぎ
- 目線
- 効果音・発声
など
映像を作るうえで考えることが
幅広く取り上げられています
アニメだけでなく
実写についても触れられているため
映像表現を広い視点から考えられる本
だと思います
僕が読んだのは
2011年に出版された改訂版です
現在は改訂二版が出版されていますが
僕はまだ読んでいないため
ここで紹介している内容や感想は
2011年の改訂版をもとにしています
僕は10年ほど前にも
一度この本を読みましたが
その後
映像やイラストの制作を経験してから
読み返してみると
以前より
納得できる部分が増えていました
初心者から読める本ですが
専門的で分かりにくい部分もあるため
先に『アニメ鑑賞が
爆爆爆爆爆発的におもしろくなる演出の話』で
演出の全体像を確認してから読むと
理解しやすいと思います
filmmaker’s eye 第2版
filmmaker’s eye 第2版
グスタボ・メルカード 著
ショットサイズやカメラ位置などから
「どう撮るか」を学べる本
難易度:初心者~中上級者向け
この本では
- ショットサイズ
- カメラの高さや角度
- ズーム
- カメラの動き
など
どのように撮るかによって
見る人にどんな印象を与えるのかを
実際の映画を例に解説しています

人物の大きさや位置
カメラの高さなどによって
人物関係や心理を
どう見せるのかを考えるときにも
参考になります
filmmaker’s eye レンズの言語
filmmaker’s eye レンズの言語
映画のシーンに学ぶ画作りとストーリーの語り方
グスタボ・メルカード 著
広角・標準・望遠など
レンズによる見え方と演出を学べる本
難易度:初心者~中上級者向け
この本では
- 広角・標準・望遠による見え方の違い
- 歪み
- フレア
- ピント送り
- カメラワーク
- カットのつなぎ
など
レンズの特性を
映像表現にどう使うのか
を実際の映画を例に解説しています

広角や望遠など
レンズによる見え方の違いは
映画だけでなく
漫画やイラスト、アニメで
画面を考えるときにも参考になります
実際の映画のカットも
連続写真で紹介されていますが
動きを写真だけでは
イメージしにくい部分もありました
そのような内容は
YouTubeなどで実際の映像を見ながら学ぶと
より理解しやすいと感じました
『filmmaker’s eye 第2版』と
『filmmaker’s eye レンズの言語』の違い
2冊を読んでいる途中は
内容が似ているように感じましたが
読み終えるころに
「どう撮るか」と「どう映るか」は別の話
だと整理できました
『filmmaker’s eye 第2版』では
- ショットサイズ
- カメラ位置
- カメラの動き
など
どう撮ることで
どのような意味を持たせるかを考えます
一方
『filmmaker’s eye レンズの言語』では
広角・標準・望遠など
使うレンズによって画面がどう見えるのかを
詳しく扱っています
『filmmaker’s eye レンズの言語』については
こちらの記事で詳しく紹介しています
→ 広角・標準・望遠による見え方と、レンズを演出に使う考え方を詳しく見る
コンセプトアートについて

コンセプトアートは
アニメ・ゲーム・映画などを作るときに
作品の世界観やイメージを形にして
人に伝えるための絵です
ただし
同じコンセプトアートでも
何のために描くのかによって
求められるものが変わります
この記事では
本を選びやすくするために
用途を大きく3つに整理します
- 完成イメージを伝える
→ プレゼン資料 - 作品の方向性を探る
→ アイデア出し - 制作に必要な情報を共有する
→ 設計図
コンセプトアートの本を選ぶときは
どの用途について学びたいのかを意識すると
自分に合う本を探しやすくなると思います
トミーのコンセプトアート教室

トミーのコンセプトアート教室
マンガと添削で楽しく学べる!
富安 健一郎 著
佐倉 おりこ イラスト
「コンセプトアートとは何か」から
仕事の考え方まで学べる入門書
難易度:初心者向け
この本では
- コンセプトアートとは何か
- 何のために描くのか
- 仕事の流れ
- 上達するための考え方
- 練習方法
- 添削とメイキング
などが
マンガを交えながら紹介されています
絵をどう描くかという技法より
何を考えて
何のために描くのか
という部分に重点を置いた本です
そのため
「コンセプトアートに興味はあるけれど
そもそも何をする仕事なのかわからない」
という人が
最初に全体像を知るための本として
読みやすいと思います
添削やメイキングでは
プロが作品の
どこを確認しているのか
制作をどう進めているのかも
見ることができます
ただし
パースや色彩など
絵の基礎そのものを学ぶ本ではありません
そうした知識は
別の本で補う必要があります
「ファンタジー背景」描き方教室

「ファンタジー背景」描き方教室
Photoshopで描く! 心を揺さぶる風景の秘訣
よー清水 著
ポイントを絞りながら
短時間で完成度を高める方法を学べる本
難易度:中級者向け
この本では
10作品のメイキングを中心に
- 視線誘導
- 面の表現
- オーバーレイ
- 木・山・雲・草・岩などの自然物
- 建築物などの人工物
といった
実際の制作で使う考え方や描き方が
詳しく解説されています
コンセプトアートの3つの用途で考えるなら
僕は
完成イメージを伝えるための
プレゼン資料を作るときに近い内容
だと感じました
絵の基礎知識を
一から学ぶ本というより
すでに学んだ知識を
実際の制作でどう使うのかを
確認できる実践的な本です
僕自身
「この知識をここで使うのか」
という発見があり
バラバラに覚えていた知識が
つながっていく感覚がありました
基本的な知識や技術を身につけたあと
描き込む部分と省略する部分を整理しながら
効率よく完成度を高めたい人に
向いていると思います
世界観の作り方

世界観の作り方
アイデア出しからデザインまで
わかりやすいコンセプトアート入門
有里 著
アイデア出しから取材・デザインまで
0→1で世界観を作る考え方を学べる本
難易度:初心者~中級者向け
この本では
- コンセプトアートの仕事の流れ
- リサーチや考える時間の重要性
- アイデアの出し方
- 取材
- デザイン
など
何もないところから
世界観を形にしていくプロセスを
学ぶことができます
コンセプトアートの3つの用途で考えるなら
僕は
作品の方向性を決めるための
アイデア出し
に近い本だと感じました
竜宮城を題材に
約110ページにわたって
アイデア出し → 取材 → デザイン
までの流れと
その中で何を考えているのかが
順を追って紹介されています
とにかく
参考作品の数が多く
熱量もすごいです
まるで
「分厚い薄い本(同人誌)」
のような1冊です
僕は
ここがこの本の
大きな特徴だと感じました
そのため
- アイデアが思いつかない
- 何を手掛かりに考えればいいのかわからない
- デザインの根拠を持ちたい
という人に
特に参考になると思います
また
アイデア出しだけでなく
制作チームでイメージを共有できるほど
具体的にデザインされている作例も多く
考えたものを
どこまで具体化していくのかを
見るうえでも参考になりました
ただし
パースや色彩、ツールの使い方などを
基礎から学ぶ本ではありません
そうした知識は
別の本で補う必要があります
アニメ背景について
アニメ背景の仕事で
どこを確認しながら
画面の完成度を上げていくのかを
学ぶのに役立った本を紹介します
ただし
アニメ背景は
背景会社や作品によって
- 色の使い方
- 光の表現
- 描き込み方
- 仕上げ方
など
考え方や表現方法が異なります
そのため
本に書かれていることが
すべてのアニメ背景に共通する正解
というわけではありません
ここでは
僕自身の背景制作の経験と照らし合わせながら
参考になった本として紹介します
アニメスタジオで教わる背景画の大原則
アニメスタジオで教わる背景画の大原則 神技作画シリーズ
増山 修 著
アニメ背景を仕上げるときに
プロがチェックしているポイントを学べる本
難易度:中級者向け
僕の経験では
背景会社に入った1年目に
先輩から教えてもらうような内容が
多くまとめられています
この本では
- 絵が単調に見える原因
- 経験の浅い人がやりやすい失敗
- 画面の完成度を上げるための考え方
- 仕上げるときに確認したいポイント
などを学ぶことができます
絵の基礎を
一から学ぶ本ではありません
色・光・パースなどの
基本的な知識を身につけたあと
自分の絵をもう一段よくするには
どこを見直せばいいのかを考えるときに
参考になる本だと思います
本書の内容も
絶対的なルールとして考えるのではなく
背景制作で確認するポイントのひとつ
として参考にするのがよいと思います
絵を描くうえでの悩みについて
絵を続けていると
- 何を描きたいのかわからない
- 自分の強みがわからない
- どんな練習をすればいいのかわからない
- 成長している実感がない
- 描くことを楽しめなくなった
など
技術や知識だけでは解決しにくい悩みも
出てきます
近くに相談できる
先生や先輩、同業者がいれば
話を聞くこともできますが
独学では
自分だけで考え続けてしまうこともあります
ここでは
自分の状態や制作との向き合い方を
考え直すきっかけになった本を紹介します
悩みに合わせて選ぶなら
何を練習すればいいのかわからないなら
→ 『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方』の特徴を見る
絵について相談できる先生や先輩が身近にいないなら
→ 『絵が上手いより大事なこと』の特徴を見る
伸び悩んだときに、自分の現在地を確認したいなら
→ 『熟達論』の特徴を見る
自分が何を描きたいのかわからないなら
→ 『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』の特徴を見る
自分の強みや進む方向を考えたいなら
→ 『人生やらなくていいリスト』の特徴を見る
構図法にとらわれず
自分が何を見せたいのかを考えたいなら
→ 『カメラは、撮る人を写しているんだ。』の特徴を見る
「自分にとって良い絵とは何か」を考えたいなら
→ 『良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば』の特徴を見る
アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方
アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方
添削解説80点付き
室井 康雄(アニメ私塾) 著
絵を独学するときの練習方法や考え方を
先輩からのアドバイスのように学べる本
難易度:初心者~中級者向け
アニメーターを目指す人には特に参考になりますが
練習方法や独学での悩みについては
イラストや背景を学ぶ人にも参考になると思います
この本では
- 何を練習すればいいのか
- どんな知識が必要なのか
- どんな失敗をしやすいのか
- 練習を続けるための環境や習慣
など
独学で絵を学ぶときに
ぶつかりやすい悩みが
幅広く取り上げられています
僕は17年間
アニメ背景の仕事をしてきましたが
その経験から振り返っても
絵を練習したり
仕事にしたりする中で
一度は悩みそうなことが
多く取り上げられていると感じました
また著者が
19歳で本格的に絵を描き始めてから
4年後に
スタジオジブリへ入るまで
どの時期に何を考え
どんな練習をしていたのかも
具体的に紹介されています
そのため
何を練習すればいいのかわからない人や
独学で
自分の練習方法や進み方に迷っている人にとって
ひとつのロードマップとして
参考になる本だと思います
→ 絵を独学する人にこの本をおすすめする理由を見る
絵が上手いより大事なこと
絵が上手いより大事なこと
永山裕子 著
絵を描くときの悩みについて
経験のある画家の考え方を知ることができる本
難易度:初心者~中級者向け
画家・永山裕子さんが
- モチーフをどう選ぶか
- 何を考えながら描くのか
- 絵を続けるうえで大切にしていること
など
絵を描く人が抱きやすい疑問に
一問一答形式で答えています
技法を順番に学ぶ本ではなく
経験のある画家なら
この悩みをどう考えるのかを
知ることができる本です
僕自身も
アニメ背景の仕事を辞めて
改めて絵を学び直していたときに
自分の考え方や
これからの方向を整理するうえで
参考になりました
そのため
絵について相談できる
先生や先輩が身近にいない人に
特に参考になると思います
→ 独学するときの指針になると感じた理由を見る
熟達論
熟達論
人はいつまでも学び、成長できる
為末大 著
自分が今どのように学び
どこでつまずいているのかを
振り返るきっかけになる本
難易度:初心者~上級者向け
オリンピックに3大会出場した為末大さんが
自身の競技経験や
さまざまな分野の達人との対話をもとに
人が技術を身につけ
熟達していく過程を
- 遊
- 型
- 観
- 心
- 空
という5つの段階に分けて
考察した本です
この本を読んだからといって
自分がどの段階にいるのかが
明確にわかるわけではありません
ただ
それぞれの段階について読むことで
「これは今の自分に近いかもしれない」と
自分の状態を振り返るきっかけになりました
僕の場合
自分の現在地が少し見えるだけでも
何をすればいいのかわからないまま
不安になる時間を減らし
次に何を試せばいいのかを
考えやすくなります
特に印象に残ったのは
最初の段階が
「遊」から始まっていることです
仕事の絵では
失敗しにくい方法を選ぶことが多いため
屋外スケッチでは
上手く描くことを目的にせず
普段と違う方法を試すことを
心がけています
この本を読んで
こうした時間も
新しい描き方を見つけるための
大切な過程なのかもしれないと感じました
もう一つ参考になったのが
「できること」と
「わかること」は同じではない
という考え方です
長く仕事をしていると
無意識にできることが増える一方で
「なぜそうしているのか」を
言葉で説明できないこともあります
できるだけ言葉にして
自分の理解を確認することは
僕がこのブログを書いている
理由の一つでもあります
技術そのものを教えてくれる本ではありませんが
- 練習しているのに伸びている実感がない
- 今の学び方でいいのか不安になる
- 自分の状態を一度振り返りたい
というときに
自分の現在地や
学び方を見直すきっかけとして
参考になる本だと思います
ずっとやりたかったことを、やりなさい。
ずっとやりたかったことを、やりなさい。
ジュリア・キャメロン 著
自分の内側を見つめながら
創作を妨げているものを整理していく本
この本は
12週間かけて取り組む
自己省察のためのプログラムです
中心になるのは以下のような取り組みです
- モーニングページ
→ 思いついたことを毎日ノートに書き出す - アーティストデート
→ 週に一度、自分のための時間を過ごす - チェックインなどの課題
→ 質問に答えながら自分自身を振り返る
僕自身
いくつかの課題を試してみたところ
誰かから答えを教えてもらうのではなく
自分で自然と
問題点や改善点に気づいていくような感覚が
ありました
そのため
- 創作意欲がわかない
- アイデアが浮かばない
- 作りたいものがわからない
- 何か改善したいものがあるのに
上手くいかない
といったときに
自分の原点や
今考えていることを整理する
きっかけになる本だと思います
→ 『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』の3つの課題を実践した感想を見る
人生やらなくていいリスト
人生やらなくていいリスト
四角大輔 著
苦手なことを手放しながら
自分の強みや進む方向を考える本
著者の四角大輔さんは
会社員の音楽プロデューサーとして働きながら
自分のやりたいことを少しずつ形にし
海外移住という夢を実現した人です
この本では
何でもできる人を目指すのではなく
自分の得意なことや
自然に惹かれることに力を注ぐ
という考え方が
著者自身の経験を通して紹介されています
僕がこの本を読んだのは
アニメ背景の仕事を辞めて
イラストレーターとして
独立しようと考えていたころです
当時は
自分の強みや
これから何を軸に進めばいいのかが
はっきりしていませんでした
この本を読んで
今すぐ強みが分からなくても
まだやっていないことを試しながら探せばいいと
考えられるようになりました
実際に僕も
興味のあることをメモしたり
気になったことを
少しずつ試したりするようになりました
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』が
課題に取り組みながら
自分の内側を探る「問題集」
だとすると
この本は
著者自身が何を手放し
何を選んできたのかを見る「回答例」
のような本だと感じました
そのため
- 自分の強みが分からない
- 何を軸に進めばいいのか迷っている
- 自分に合った働き方や活動を考えたい
という人に
参考になると思います
『カメラは、撮る人を写しているんだ。』
カメラは、撮る人を写しているんだ。
ワタナベアニ 著
構図法にとらわれず
自分が何を見せたいのかを
考えるための本
難易度:初心者向け
僕は構図を学び始めたころ
「正しい構図かどうか」を
意識するあまり
撮らなくなってしまった写真がありました
そんなときに
「このままではいけない」
と思わせてくれたのが
この本です
三分割法や黄金比など
構図法を学ぶ本ではなく
- 自分は何に魅力を感じたのか
- 何を撮りたいのか
- それをどう伝えたいのか
を考える本です
構図を「正解」ではなく
見せたいものを伝えるための手段
として考えたい人に
参考になると思います
僕自身
この本を読んでから
思い出や体験を残す写真では
極端なズームや
ローポジションを
あまり使わなくなりました
資料写真では
必要に応じて使いますが
その場で自分が実際に見た感覚から
離れすぎないことを
意識するようになったからです
→ この本を読んで写真の撮り方がどう変わったのかを見る
良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば
良い写真とは? 撮る人が心に刻む108のことば
ハービー・山口 著
「自分にとって良い作品とは何か」を
考えるきっかけになる本
難易度:初心者~中級者向け
この本は
良い写真を撮るためのヒントを
108の短い言葉にまとめた本です
もともとは
著者が思いついた言葉を
Twitter(現X)に投稿していたものが
この本の原型になっています
一つひとつが短く
気軽に読めるので
作品について悩んだときに
気になる言葉から読むこともできます
撮影技法を
順番に学ぶ本というより
- 良い写真とは何か
- 何を大切にして撮るのか
- 作品を作り続けるとはどういうことか
といったことを
考えるきっかけを与えてくれます
僕は
アニメ背景の仕事を辞めたあとに
この本を読み
- 自分にとって良い絵とは何だろう?
- 描くことで何を手に入れたいのだろう?
と考えるようになりました
写真について書かれた本ですが
技術だけではなく
自分にとって良い作品とは何か
何を大切にして描き続けたいのか
を考えたい人にも
参考になると思います
一つひとつの言葉が短いため
最初から最後まで読むだけでなく
悩んだときに
ときどき読み返しやすい本でもあります
掲載されている写真も魅力的で
特に被写体の自然な表情を見ていると
「何をすれば
こんな表情が撮れるようになるんだろう?」
と引き込まれました
自分もこんな作品を作れるようになりたいと
初心を思い出すために
写真だけでも
ときどきパラパラと見返したくなる本です
映画について
映画を見るとき
監督や俳優、ストーリーだけでなく
その時代にどんな映像技術があり
それを作品にどう使ったのか
という視点で見ると
違った面白さが見えてきます
ここでは
映画の表現と
技術の歴史を知るために
参考になった本を紹介します
『映画技術入門』
『映画技術入門』
高良 和秀 編著
ゆめの 漫画
映画の歴史を
技術の進歩と表現の変化から学べる本
難易度:初心者向け
この本では
120年にわたる映画の歴史を
- フィルム
- カメラ
- 音響
- スクリーンサイズ
- 白黒・カラー
- フィルム・デジタル
など
技術がどのように進歩し
それが映画表現にどう影響したのか
という視点から見ることができます
各章の導入はマンガになっていて
図解も多く
実際の映画カットも
約700点掲載されているため
映画技術に詳しくなくても
視覚的に理解しやすい本です
僕が特に面白いと思ったのは
新しい技術が登場したからといって
すべての監督がそれを選ぶわけではない
という点です
カラー映画の時代に
あえて白黒を選んだり
デジタルの時代に
フィルムを選んだりと
監督が何を表現したいのかによって
使う技術を選んでいることが分かります
この本を読むと
監督や年代だけでなく
- フィルムとデジタル
- 白黒とカラー
- スクリーンサイズ
といった
映画技術の違いから
作品を見比べてみたくなります
映画をただ鑑賞するだけでなく
なぜこの技術や表現を選んだのか
という視点から映画を見たい人に
参考になる本だと思います
→ 映画技術の歴史から作品を見る面白さを詳しく見る
自分に合う本を選ぶために
本は
やみくもに増やすより
今の自分が何を学びたいのかを
確認してから選ぶ方が
活かしやすいと思います
何を学べばいいのか
まだ分からない場合は
まず
絵に必要な知識の全体像を確認してみてください
→ 絵を描くときに必要な知識の分類と関係性を見る
学びたい分野が決まったら
この記事から
目的に合う本を探してみてください
そして
本で学んだことを
実際に試してみたい場合は
→ 30分でできる絵の基礎練習を見るも
参考にしてみてください
このページが
自分に必要な本を探すための
「本の地図」として役立てば嬉しいです