絵を描くためには多くの知識が必要です
下図のように色や光、構図、パース、画材…覚えるべきことがたくさんあります

そのため絵を学び始めたばかりの人は
「どの本を読めばいいのか?」
「どの順番で読むのが効率的なのか?」
と迷うこともあるでしょう
僕がアニメの背景会社に就職した2005年は
今のようにインターネットが普及しておらず
SNSやオンラインコミュニティで
情報を簡単に集めることはできなかったので
自分が何を学ぶべきかもわからず、本屋で気になる本を探し回るしかありませんでした
水彩画や写真の構図、映画の撮り方の本など
必要そうな本を手当たり次第に読みましたが
すぐに役に立つものばかりではありませんでした
今となっては
自分に必要そうな本を選ぶ能力が身に着いたと思うようにしていますが
絵に関する本は高価なものも多く、読むのに時間もかかるため
「できるだけ効率よく学びたい!」と思う人も多いでしょう
さらに、専門書籍は関連書籍とあわせて読まないと理解しづらいということもあります
そこで、僕が実際に読んで「本当に役に立った!」と思った本と
おすすめの読む順番や関連書籍を紹介します
全般について
学び始めは、いきなり専門的な内容の書籍を読むより
幅広い内容がまとまっている本を読むことで
- 今の自分に必要な知識は何か?
- どの部分についての知識を深く学ぶべきか?
を見極める方が良いのではないかと思います
「絵の勉強を始めたいけれど、何から手をつけていいのかわからない」
そんな方に、まずおすすめしたいのが
「デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則(改訂版)」です
デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則(改訂版)

この本を一言で言うと
「アーティストが知っておくべき、アートの原理・原則がまとめられた本」です
まさに、タイトルの通りだと思います
初級者~中級者にお勧めです
タイトルには「デジタルアーティストが知っておくべき」とありますが
本書ではフォトショップなどのデジタルツールの操作方法には一切触れられていません
この本で解説されているのは、以下のようなアートの基礎理論です
- 色
- 光
- 構図
- 解剖学
- 遠近法
「はじめに」では、こうした理論や原則を理解することこそが
画材やスキルの有無に関係なく成功につながる
というメッセージが書かれています
西洋美術の歴史をふまえながら
色・光・構図・遠近法といった基本をわかりやすく解説されています
図や作例が豊富でわかりやすく構成されていますが、内容を簡潔にまとめているぶん
初心者には少し説明不足に感じられる部分もあるかもしれません
難易度としては
初心者にはやや難しく、中級者には少し物足りないという位置づけだと思います
もちろん、この1冊ですべてを網羅できるわけではありませんが
一通り目を通すことで
「自分に今、どんな知識が必要か」を洗い出すきっかけになると思います
詳しくは下の記事で紹介しています

色や光について
色と光 マスターガイド イラスト上達のための理論と実践
色と光 マスターガイド イラスト上達のための理論と実践
https://amzn.to/3RFrbAs

一言で言うと
「色や光に関する理論や考え方を、根拠をもとに丁寧に解説してくれる本」です
絵を描くうえで必要な色や光の知識が、この一冊に網羅されています
図解が多く視覚的にもわかりやすいですが、内容は本格的で難易度は高めだと思います
理解するのに時間はかかるかもしれませんが
絵を描く人ならいずれは必要になる知識ばかりです
中級者~上級者向けだが初級者から手元に置いておくことをお勧めします
内容は「理論編」と「実践編」の2部構成
- 理論編:色や光の仕組み、陰影、反射などを科学的に解説
- 実践編:絵具、デジタルを使った3手法による制作プロセス
こんな人におすすめ
- 色や光の正しい理解を深めたい初心者〜中級者
- アナログ・デジタル問わず絵を学びたい人
- 自分の専門外にも興味があるアーティスト
- 手元に置いて何度も見返せる「絵の辞書」が欲しい人
今すぐに全部を理解できなくても
「そのうち理解しなきゃな〜」と頭の片隅に置いておくだけで
きっと行動が変わってくると思います
だからこそ、この本はできるだけ早いうちに持っておくことをおすすめします
詳しくは下の記事で紹介しています

混色について
色彩・配色・混色

初級者にお勧めです
この本は「色彩を理解し」「配色、混色ができるようになる」ための
ワークショップを書籍化した内容で
ステップごとの課題を通して理解を深めていきます
タイトルのように「色彩」「配色」「混色」についての本ですが
僕が特にお勧めしたいのは「混色」についてです
混色では目の前にある作りたい色を
「色相 → 明度 → 彩度」の順で色を見極めて
混色で再現する方法が解説されており、実習を通じて混色の理解を深めることができます
目の前の静物の色が絵具で再現できれば
光や色の知識がなくても絵として描くことができるという考え方で
静物画を描く課題もあります
「なんとなく混ぜる」から脱却し、色を理論的に捉えて再現できるようになれる
混色初心者に特におすすめの一冊です
詳しくは下の記事で紹介しています
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