この記事では
コピー用紙で作った山を観察したあとに行う
スケッチ練習について書いていきます

コピー用紙で山の形を作る方法や
光を当てたときの面の向き、明暗、影の見え方

コピー用紙で山を作って
立体と影の見え方を観察する記事
で紹介しています

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コピー用紙で作った山の例

僕は17年ほど
アニメ背景の仕事をしてきました

仕事では山や森などの自然物を
描くこともあります

それでも
実際の山や写真を見て描こうとすると
形、明暗、色、距離感など
考えることが多くなりすぎることがあります

僕の場合も
最初から色まで考えようとすると
何を見ればいいのか
分からなくなりやすい
です

山を描くときは
いきなりフルカラーで描くよりも
まず形と明暗を確認し
そのあと少しずつ色を加えていくと
考えやすくなる
と思います

この練習では
完成度の高い絵を描くことよりも
山の形・面の向き・明暗・色の役割を
段階的に確認することを目的
にしています

この記事では
コピー用紙や緑色の画用紙で作った山を使って
鉛筆、白黒、限定色の順に
実際の練習を見ていきます

白黒からカラーのスケッチへ

コピー用紙で作った山をスケッチする

この練習は
時間をかけてしっかり描くよりも
短時間で何回も描いたほうが
練習になる
と思います

僕はA5くらいのスケッチブックに
大きめの平筆1本で描いています

細かく描き込めないようにすることで
短時間で終わるようにしています

スケッチをするときは
次のようなことを意識しています

  • 15〜30分くらいで手早く終わらせる
  • 小さめの紙に描く
  • 薄目で見て、大きな明暗でとらえる
  • 写実的に描こうとしすぎない
  • 面の向きと明るさを観察する
  • 平面の組み合わせとして山を見る
  • 立体感が出ているかを確認する

見たまま描けばいいとは限りません

表現したい立体に見えるように
必要に応じて形や明暗を
少し誇張してもよいと思います

鉛筆で描く

まずは鉛筆で描きます

鉛筆は使い慣れている人が多く
タッチで面の向きを表現しやすいです

山の面がどちらを向いているのか
どこが明るくて、どこが暗いのかを
確認しながら描く練習に向いていると思います

一方で
絵具やマーカーと比べると
広い面を塗るのに少し時間がかかります

短時間で何枚も描く場合は
細かく描き込みすぎないようにしたほうが
続けやすいと思います

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コピー用紙で作った山
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鉛筆のスケッチ
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コピックと白のペンで描く

次に、コピックと白のペンを使います

コピックは
ムラなくベタ塗りしやすく
使いたい明るさのグレーを選びやすい
です

絵具より準備が楽なので
短時間の練習にも使いやすい
と思います

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コピックと白ペンのスケッチ

今回は
コピックのニュートラルグレイ
1,3,6,8,10を使用しました

ただ、グレーの明るさが近すぎると
違いがわかりにくくなります

最初からたくさんそろえなくても
1、3、5のように
少し差のあるグレーを数本持っていれば
十分だと思います

必要になったら
あとから買い足していけばよいと思います

鉛筆と比べると
コピックはタッチが残りにくい
です

そのため
面の向きをタッチで表現しにくく
少し難しく感じるかもしれません

描くときは
最初に光面と影面を大きく分けてから
細かい明暗を入れていくと
迷子になりにくいと思います

ただ、描き方はひとつではありません

だんだん暗い色を使っていく方法でも
最初に一番暗い色を置く方法でも
自分が考えやすい順番を
探してみるとよい
と思います

透明水彩の白・グレー・黒で描く

次に、透明水彩の
白、グレー、黒を使って描きます

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透明水彩の黒・グレーと白ガッシュのスケッチ

白黒で描くと
色相や彩度を考えなくてよいので
明暗に集中しやすくなります

使用した色は
ホルベイン透明水彩の

  • アイボリーブラック
  • グレイオブグレイ
  • チタニウムホワイト

です

鉛筆やコピックよりも
明るさの調整は少し難しいです

また、絵具を出したり
水を用意したりする必要があるので
準備にも少し手間がかかります

それでも
筆で面をなでるように描く感覚は
立体を考える練習になると思います

筆のサイズと動かし方を意識する

山を描くときは
細い筆で輪郭を追いかけるよりも
少し大きめの平筆を使った方が
面の向きを考えやすくなります

参考に
僕が、この練習で使った筆のサイズが
わかる写真を載せます

スケッチと筆のサイズ

細い筆を使うと
つい山の輪郭や細かい形を
追いかけたくなってしまいます

でも、この練習では
山を細かく描き込むことよりも

  • 面の向き
  • 明るさの違い
  • 尾根や谷の流れ

を確認することを優先します

そのため
筆も山の面に沿って動かすようにします

この考え方は
実際に遠景の山を描くときにも使えます

ただ一定方向に筆を動かすだけだと
山の形が単調に見えることがあります

尾根や谷の流れに合わせて
筆の向きを少し変えると
遠景でも山の形に変化を出しやすくなります

下の図のように
ブラシの動かし方を意識するだけでも
山の形が単調にならないように
変化をつけることができます

ブラシストロークで変化を付ける

また、絵具のムラやたまりを利用して
山の角や硬さを強調
することもあります

ライトグリーン・白・黒(ポスターカラー)で描く

次に、白背景に
緑色の画用紙で作った山を置いて
カラーの練習をします

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緑の画用紙で作った山
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ライトグリーン・白・黒のスケッチ

ここでは
白と黒に加えて
固有色としてライトグリーン
を使います

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白黒だけの練習に
緑を1色足すような感覚です

使う色を限定しているので
明暗に集中しやすい
です

一方で
見たままの色をすべて作れるわけではありません

ライトグリーンに水を加えて作った明るい色と
ホワイトを加えて作った明るい色は
同じ色にはなりません

作れる色には限りがあります

ただ、その限られた色の範囲で
どう描くかを考えることも
練習になると思います

ホワイト・ライトグリーン・ライトブルー・コバルトブルー(ポスターカラー)で描く

最後に、色画用紙で作った山の奥に
白とライトブルーで描いた空を用意しました

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緑の画用紙で作った山とスケッチ

ここでは
ポスターカラーの4色を使います

  • 遠景の青み:ライトブルー
  • 影面の色:コバルトブルー
  • 固有色:ライトグリーン
  • 明度を上げる色:ホワイト

この練習では
実際に山を描くつもりで
最小限の色を考えています

色数は少ないですが
光面の色、影面の色、遠景の青みを
分けて考えることができます

作れる色が少ない分
それぞれの色に意味を持たせやすいです

たとえば
ライトグリーンは山の固有色
コバルトブルーは影面の色
ライトブルーは遠景の青み
というように考えます

意味のある色を選んでいるので
光面に影色を使うと
絵が破綻してしまいます

適切な場所に
適切な色を置く練習
です

ただし、ここまでくると
明度だけでなく
色相や彩度も関係してきます

白黒や白黒+緑の練習よりも
一気に難しくなります

また、使う色を限定しているので
見たままの色をすべて作れるわけではありません

それでも
色数を絞ることで
光面、影面、遠景色を
整理して考えやすくなる
と思います

4色の選び方や
遠景の青み、影面の青み、固有色を
どう分けて考えたのかについては
必要最小限の4色で山を描くときの
色の意味と選び方をまとめた記事
で詳しく書いています

まとめ

いきなりフルカラーで描こうとすると
明度、色相、彩度を
同時に考える
ことになります

これはかなり大変です

まずは鉛筆で形と明暗を見て
次に白黒で明暗に集中する

そのあと
白黒+緑
さらに4色の限定色というように
少しずつ扱う情報を増やしていくと
練習しやすいと思います

実際の山を見て描く練習とは
少し違います

でも、コピー用紙で作った山は
実際の山よりも形がシンプルです

面の向きや明るさを確認しながら
短時間で練習しやすいと思います

以前の僕のように
山を描くことに苦手意識がある方は
まず身近なものを使って
手を動かしてみるとよいと思います

この練習をしたあとでは
実際の山や山の写真を見たときに
どこを見ればいいのかが
少し整理しやすくなるかもしれません

山に限らず
絵の練習は、短い時間で試せる形にすると
続けやすくなると思います

30分くらいでできる絵の基礎練習を
まとめた記事
もあるので
ほかの練習を試したい方は
参考にしてみてください

ABOUT ME
後藤太郎
17年ほどアニメ背景美術の仕事をしてきました。現在は、絵の練習・背景制作・屋外スケッチについて、実際に描いたり試したりしながら気づいたことを発信しています。