絵柄の変え方|絵柄を変える5つの方法と描く条件の見直し方
自分の絵柄はこのままでいいのか?
もっと個性的な絵を描きたい
そう思ったことはありませんか?
僕も、自分の絵柄を変えたい
と思ったことがあります
でも、いつもと同じように描いていると
いつのまにか
いつもの描き方に戻ってしまいます
僕はこれまで
アニメ背景の仕事を長く続けてきました
仕事では、作品の雰囲気に合わせて
デフォルメ具合や色の使い方を
調整して描いています
その経験からも
絵柄を変えたいときは
いきなり新しい絵柄を作ろうとするより
まず描く条件を変えてみる方が
試しやすいと感じています
もちろん、模写をすることで
他の人の色使いやタッチ
見せ方を学ぶことも大事です
ただ、時間がかかりますし
初心者が一人でやるには
少しハードルが高いと思います
そこで今回は
僕が実際に試してみて
「これを変えたら
絵柄が変わったように感じた」
という5つの方法をまとめます
絵柄を変えるために試した5つの方法
- 作業時間の長さを変える
- 画材を変える
- 使う色を変える
- 紙の大きさを変える
- 作業手順を変える
絵柄をいきなり変えようとすると
難しいですが
描く条件を変えると
いつも通りには描けなくなります
その不自由さの中で
自分が何に頼って描いていたのか
どこを変えると印象が変わるのかが
少しずつ見えてくると思います
初心者の方でも試しやすい内容なので
絵柄を変えたい方は
参考にしてみてください
絵柄を変えるには
いつも通りに描けない状況を作る
- いつもと同じ時間で描く
- いつもと同じ画材を使う
- いつもと同じ色を選ぶ
- いつもと同じ紙に描く
- いつもと同じ手順で進める
この状態だと、どうしても
いつもと同じ判断をしてしまいます
もちろん、それが悪いわけではありません
ただ、絵柄を変えたいと思っているときは
あえて少し描きにくい条件を作ってみると
いつもの描き方から外れやすくなります
きれいに描くためというより
自分の癖や、まだ試していない可能性を
確認するために条件を変えてみる
そう考えると
絵柄を変える練習として
取り入れやすいと思います
作業時間の長さを変える
まずは、いつもの作業時間を測ってみる
自分がいつも通りに描いたとして
どれくらい時間がかかっているか
把握していますか?
もし計ったことがないという方は
スケッチでもイラストでも構いませんので
5枚ほどいつも通りに描いて
作業時間を記録してみてください
どれくらい時間をかければ、
どれくらいの描き込み具合の絵になるかが
把握できるようになります
そのうえで
作業時間を2〜3倍にした場合と
1/3〜1/5程度にした場合を
試してみてください
半分にしたくらいでは
いつも通りの考え方で
粗く描いてしまうだけで
根本的に考え方を変えることが
難しいかもしれません
どちらも、始めのうちは
納得のいく形にはなりにくいと思います
仮に時間と完成度の関係が
上図のようだとした場合
いつもの完成度の部分ではなく
短時間で描いたとき
長時間で描いたときのバランスで
絵を成立させる必要があります
作業時間を短くすると
何を残すかが見えてくる
短い時間では、下書きに
時間をかけている余裕がありません
何色も使っている時間もありません
そうすると
自然と制限が出てきます
その制限の範囲内で
人に見せても恥ずかしくないものに
仕上げる方法を考える必要があります
形は狂っているけれど
勢いがあるかもしれない
色数は少ないけれど
見やすいかもしれない
いつもとは違う評価基準で考えることが
必要になってくるかもしれません
できたものは
その時間内での自分の限界です
その限界を理解したうえで
伸ばすべき長所や改善点を
洗い出していく必要があります
短時間で描くことは
ただ雑に描くことではありません
「どこを見せ場にするか」
「何を残して、何を省くか」
「どのように見せるか」
そういう絵としてまとめる判断を
早くする練習にもなると思います
何を残して、どこを目立たせるか
を考えたい方は
「グレーのマーカーで
明暗のパターンを見る練習を
まとめた記事」
も参考になると思います
作業時間を長くすると
描き込みの限界が見えてくる
逆に、倍の時間をかけるのも
意外と難しいです
僕の場合
もうこれ以上は描き込みようがない
と思った絵を先輩に見てもらうと
「もっと描けるよ
この辺が全然描けてない」
と言われたことがあります
描き込める量は、手の速さだけでなく
知識量にもかなり左右されると思います
自分では描き込んだつもりでも
先輩には「反射光がない」
「建築物のディテールが甘い」
「影の中の表現が甘い」など
まだまだ描ける部分が
見えていたんだと思います
- 色数を増やす
- デザインを複雑にする
- 形を正確にとる
など
いつもより時間をかけたり
手数を増やしたりするには
さらに深い理解が必要になります
長い時間描いていれば
勝手に密度が上がるわけではありません
頭の中で
絵に必要な情報が整理できていないと
時間を増やしても何をすればいいのか
わからなくなってしまいます
長い時間描き込めるということは
それだけ表現したい情報がある
ということです
もちろん、手数が多ければ良い
というわけではありません
ただ
必要なところに手を入れられるということは
それだけ観察している情報や
知識の引き出しが多いという
判断材料にもなると思います
画材を変えると
いつもの線やタッチが使えなくなる
水彩色鉛筆、透明水彩、アクリル絵の具
パステル、ポスターカラー
ポスターカラーに糊を混ぜて描くなど
できるだけバラバラの画材で描いたものを
並べました


自分では同じように描いているつもりでも
画材が変わると
明らかに雰囲気は変わります
画材を変えると
いつも通りには描けなくなります
- いつもの色が使えない
- グラデーションをかけにくい
- 細かいところが描きにくい
など
上記のような描きにくさが出てきます
最初は嫌になるかもしれません
でも、最初の1枚を描き切ることができれば
次はこうすればうまくいくだろうと
改善点が思いつきます
3枚くらい描けば
いつもの画材に戻したときに
描きやすさや物足りなさを感じる
と思います
画材を変えることは
使える道具を増やすためというより
無意識にやっている、いつもの描き方を
意識するためにも使えます
使う絵の具の数を変えると
無意識の色選びに気づきやすい
例えば僕の場合
透明水彩の24色セットを使ってましたが
使い慣れてきたころに
思い切って色数を減らしてみました
下の写真は
100均の名刺入れで作ったパレットです

いつも同じ色数を使っていると
いつも通りの混色をしてしまいがちでした
そのため
なかなか色使いを変えることが
できませんでした
でも、色数を絞ったおかげで
混色の考え方が
シンプルになった気がします
不便だと思えば
どんどん色を入れ替えていきます
このあたりは
混色を考える入口にもなります
シアン、マゼンタ、イエローのCMYで
試してみたらどうだろう?
赤青黄の3原色とは何が違うの?
そんなふうに
色を選ぶ基準そのものに
興味が向くようになりました
無意識に色を選んでいるという方は
一度、色数を減らして描いてみると
気づくことがあると思います
色を減らすと不便になります
でも、その不便さがあるからこそ
自分が普段どんな色に頼っていたのかが
見えやすくなります
混色で何をしているのかを整理したい方は
「色相と彩度の変化から
混色を考えた記事」
も参考になると思います
紙の大きさを変えると
省略と主役の見せ方が変わる
スケッチ会に参加したときに
先生からもっと大きな筆を使った方がいい
と指摘されて
小さい紙に大きな筆で描く練習を始めました
紙と筆の比較を載せました

下図で一番大きい左上はサムホール
B5サイズくらいの紙です
左下は、大きい単語帳です

大きな紙に小さな筆で描いた絵に比べて
小さな紙に大きい筆で描いた方が
対象を大きな塊として捉えている感じが
出やすくなりました
- 細かく描き込めないので
省略やデフォルメした絵になった - わかりやすい主役を描くようになった
紙が大きいときは
画面の収まりや遠近感の表現に
気を取られていて
主役や見せ場をあまり作れていなかった
と気づきました
紙が小さいと
画面全体が見やすくなります
作業範囲も狭くて済むため
色数を増やしても
バランスが取りやすくなります
人にもよると思いますが
僕の場合は、紙が一回り小さくなると
作業時間は半分くらいになります
大きい紙では
どうしても全体を埋めることや
遠近感を作ることに
意識が向きやすくなります
小さい紙では
細かく描き込めないぶん
わかりやすい主役があった方が
絵としてまとめやすくなります
絵柄を変えたいときは
紙の大きさを変えるだけでも
省略の仕方や見せ方が変わると思います
紙の大きさだけでなく
使う道具の太さでも似たことが起こります
ボールペンで描いていると
つい細かいところまで
気になってしまいますが
ペン先の太いサインペンを使うと
細かい部分は描けないので
細かいシワといった部分より
大きな流れを見るようになりました

道具を使い分けることで
頭で処理する情報を
荒くするか細かくするかを
コントロールしていると言えるかもしれません
作業手順を変えると
線・色・タッチの役割が変わる
これは、ペンで線画を描いて
透明水彩で着彩をしたあとに
さらにペンでタッチを描き込んだものです
普段は
線画を描いて着彩したあとに
ここまで多くタッチを追加しません
でも、この絵を描いたときは
水彩でできた濃淡に合わせて
ペンでタッチを入れて
立体感や存在感を強調しました

ペン画の場合
着彩前にペンを入れた絵と
着彩後にペンを入れた絵では
違った仕上がりになります
あとでペンを入れる場合
すでにある着彩の立体感や空間を
補強するように線を入れるので
線に表情をつけやすくなり
説得力や存在感が増します
逆に、先にペンを入れると
色がはみ出さないように
意識してしまうため
縮こまった感じに
なってしまう可能性があります
どちらが正解というより
手順によって意識することが変わります
描き比べたことがない方は
ぜひ一度、描き比べてみてください
ずいぶん意識していることが違うと
感じることができると思います
失敗だと思った絵が
人から見ると面白いこともある
ここまで紹介した5つの変更は
何度か繰り返し試してみないと
実感は得にくいと思います
なので
最初から成果を出そうとするより
気分転換の遊びとして
取り入れてみると良いと思います
作品を見てくれる人がいるなら
見てもらった方がいいです
思わぬところを
褒められるかもしれません
僕の場合
恥ずかしいほどの失敗だと思った作品ほど
Xに絵を投稿すると反応がいい
ということが何度かありました
初めは戸惑いましたが
もしかしたら
自分でうまく描けたと思う絵は
意外性がなく
面白味に欠けるのかもしれない
と思うようになりました
最初は
失敗と思っている絵を見せるのは怖いです
それでも
誰かに見てもらったときのリアクションを
確認しながら
自己評価と他者からの評価のギャップを
埋めていく必要があると思います
自分では失敗だと思っている部分が
他の人には面白く見えることもあります
そういう反応を知ることも
絵柄を広げるうえでは
大事なのかもしれません
まとめ|絵柄を変えたいときは
小さな制限を1つ試してみる
絵柄を変えたいときは
いきなり新しい絵柄を作ろうとするより
まず描く条件を変えてみる
と良いと思います
- 作業時間の長さを変える
- 画材を変える
- 使う色を変える
- 紙の大きさを変える
- 作業手順を変える
どれも、いつも通りに描けない状況を
作るための方法です
うまくいく方法だけを繰り返していると
どうしても同じような絵になりやすいです
意識的に不慣れなことを試して
多くの失敗や確認作業をすることも
必要なのだと思います
成功と失敗の幅が広ければ広いほど
自分の中の許容範囲も広くなります
最初から全部を試す必要はありません
気になったものを1つだけ選んで
いつもと違う条件で描いてみてください
小さな一歩でも踏み出してみると
次はこれも試してみようと
少しずつ新しいことを試したくなる
と思います
【あわせて読みたい記事】
絵柄を変える前に
絵を描くときに必要な知識の全体像を
整理したい方は
「絵を描くときに何を考えればいいかを
知識の分類と関係性から整理した記事」
も参考になると思います
今回紹介したような描く条件の変更を
短時間の練習として試したい方は
「30分でできる絵の基礎練習を
目的別に選べるようにまとめた記事」
もどうぞ
絵柄や表現を広げるために
どの本から読めばいいか迷う方は
「初心者〜中級者向けの絵の勉強本を
難易度と読む順番つきでまとめた記事」
も参考にしてみてください
