最近あらためて
絵の基礎や考え方を
学び直しています

そんな中で読んだ
『新装版 ルーミスの
クリエイティブイラストレーション』は
プロを目指す人が
絵をつくるときの考え方を学べる
実践的な指南書
だと思いました

17年間
アニメ背景を描いてきた僕でも
プロが絵を描くときに
何を考えるべきなのかを
あらためて考えさせられる一冊でした

新装版 ルーミスの
クリエイティブイラストレーション

A. ルーミス 著

難易度:中級者~
プロを目指す人におすすめ

この本で学べること

「この本を読めば
もう他に教えることはない」
とある通り内容はかなり濃く

トーン、色彩、遠近法、構図から
ポスター、広告、表紙、挿絵など
ジャンルごとの考え方まで
幅広く扱われています

さらに
アイデア出しから
ラフ、仕上げまで
絵を完成させるまでに
何を考えるのか

多くの作例とともに学べます

読んでいると
まるでプロの現場で
新人研修を受けているような
感覚になります

トーンや色の考え方

特に印象的だったのが
トーンや色の考え方です

たとえば下の図のように
絵を4階調で整理するときには
モチーフを魅力的に見せる
背景色や明暗の配置を考えます

4階調の明暗と背景色の組み合わせによる見え方の違いを比較した図
4階調と背景色の組み合わせ例
『新装版 ルーミスのクリエイティブイラストレーション』
(マール社、2015年)を参考に作成

モチーフによって
向き不向きもあるため
描き込む前に
どう見せるかを設計することが重要
なのだと実感しました

17年間アニメ背景を描く中でも
描き込む前に明暗や色を整理することは
日常的に行ってきました

その経験があっても
4階調に整理して考える方法は
あらためて参考になりました

また本書には
美術館の絵に負けないような
トーンと色の美を追求せよ

という強いメッセージがあります

イラストレーター志望者や
新人に語りかけるような文体で
ただラフを描けばいいわけではない
色の設計に十分な時間をかければ
その結果は作品に反映される

といった
耳の痛い言葉も多く
身が引き締まります

32項目の制作チェックリスト

中でも役立ちそうだと感じたのが
32項目にわたる制作チェックリストです

  • 構図の必然性
  • 焦点の作り方
  • 不要な要素の有無

などを確認でき
作品を客観的に
見直す助けになります

完成度を高めたい中級者には
特に実用的な内容だと思います

何を見せて、何を省くか

もうひとつ
強く納得したのが
情報を選び
細部を省略することで
見せたい部分を際立たせる

という考え方です

本書によると
この本が書かれた当時は
写真の登場によって
イラストレーターの仕事が
どうなるのかという問題があったようです

現在では
AIによって
イラストレーターの仕事が
どうなるのかが話題になります

写真のような絵だけでなく
人が描いたのか
AIが生成したのか
僕には一見しただけでは
判断できない絵を目にすることもあります

それでも
何を見せて
何を省くのか
を考え
必要な情報を選んで
画面をつくること

当時と同じように
今の絵描きにとっても
大切なヒントになると思います

描き込むことそのものではなく
何を見せるために
何を描かないのかを判断すること

そこには
今でも絵を描く人自身の
考え方が表れるのではないかと感じました

古い本ならではの読みにくさもある

原著は約80年前の本なので
今では使われていない画材など
そのまま実用しにくい部分もあります

言い回しが古く
少し読みにくい箇所もありますが
全体としては
今でも十分通用する
普遍的な内容
だと思います

また
初歩的な説明は少ないため
初心者向けの本ではありません

17年間
アニメ背景を描いてきた僕にとっても
基礎練習や基礎を理解することの大切さ
制作するときの考え方を
あらためて見直すきっかけになる一冊でした

新装版 ルーミスの
クリエイティブイラストレーション

A. ルーミス 著


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ABOUT ME
後藤太郎
アニメ背景美術の仕事に17年間携わり、現在はフリーのイラストレーターとして活動しています。 このブログでは、絵の練習・背景制作・屋外スケッチについて、実際に描いたり試したりして分かったことをまとめています。 詳しい経歴・制作実績は、画面下部の「運営者情報」からご覧いただけます。