17年間アニメ背景の仕事をしてきましたが
それでも写真を見ていて
「なぜか、じっと見てしまう」とか
「なんとなく目を引く」
と感じることはあっても
うまく言葉で表現できないことがありました

『PHOTOGRAPHER’S EYE』は
そんな「なんとなく」を
わかりやすく整理してくれる本でした

目を引く画像が
なぜ目を引くのか

鑑賞者が写真を見たときに
どのように認識するかを
いくつかのパターンに分類しながら
豊富な参考写真や図解とともに
丁寧に説明
しています

カメラマンが
写真を撮るときに考えていることも
わかりやすく言語化されています

写真の本ではありますが
イラストや映像で
画面づくりを考えたい人にも
かなり参考になる一冊
だと思いました

図解や参考写真を実際に確認したい方は
PHOTOGRAPHER’S EYE
改訂完全版
写真の構図とデザインの考え方

マイケル・フリーマン 著
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この本を読んでよかったこと

写真の見方の解像度が上がった

具体的に
この本を読んでよかったと思ったのは
写真の見方の解像度が上がったことです

ハイキー、ローキーは知っていましたが
ハイレジスター
ローレジスターという言葉を知って
これまで「全体的に明るい写真か
暗い写真か」という2択だったものが
4択に増えました

また
この本によると、カメラマンは
頭の中にあるレパートリーを引き出して
目の前の景色に当てはめながら
撮っているとのことです

使いこなせる型を多く持っていた方が
成功確率が上がる
という言葉は
経験上とても納得できました

この感覚は絵も同じだと思います

自分も「逆光」や「なめ」
「遠・中・近の3レイヤーに分ける」など
画面をまとめるセオリーを知って
使いこなせるようになってから
速くラクに描けるようになった
ので
とても共感しました

明るさで視線が変わるのが面白い

特に面白かったのは
同じ写真でも明るさを変えるだけで
目がいく場所が変わることを
実験で見せてくれたところです

本の中の
「明」「暗」の比較画像と
注視時間のヒートマップは
視線の動きの違いを理解するうえで
とても有効
でした

自分でも写真を見ながら
どのように目が動いたかを考えて
そのあとで答え合わせができるので
視線誘導について考えるヒントになりました

絵を描いていても
デジタルで明るさを少し触るだけで
印象が変わってしまうことがあります

自分でもそこはかなり神経を使うので
明るさの違いで視線の動きまで変わることを
こうして見せてくれるのは
とても面白かったです

ただ作例を見るだけでなく
「なぜそこに目がいくのか」まで
考えながら読める本
です

良い写真は試行錯誤の上に成り立っている

著者が撮影中に何を見て
何を考えていたのかも書かれている部分があるので
読んでいて
撮影を追体験しているような感覚を味わえます

「わかる」と共感することもあれば
「そういう考え方をするのか」と
気づかされることもありました

さらによかったのは
うまくいった写真だけでなく
タイミング待ちの写真や
ボツ写真との比較
も載っているところです

だからこそ
良い写真がどれほど良いのかが
わかりやすいです

同時に
プロでもいまいちな写真を
たくさん撮っているのだと
当たり前のことを改めて実感しました

また、いい写真を撮るには
知識や経験、信念だけでなく
根気や辛抱強さも必要だということが
わかりました

良い写真は
技術があればすぐ撮れるものではなく
何度も試し、粘り強く待ち、条件が重なって
ようやく生まれるものなのだと思いました

そう考えると
一枚の良い写真がどれだけ奇跡のようなものかも
少しわかった気がします

この本を読んで
自分ももっと手を動かそうと思いました

『PHOTOGRAPHER’S EYE』はこんな人におすすめ

この本は
写真を感覚だけでなく
言葉で理解したい人におすすめです

たとえば

  • 目を引く画像の理由を知りたい人
  • 写真だけでなく
    イラストや映像の画面づくりにも活かしたい人
  • プロが何を考えながら画面を作っているのか知りたい人

にはかなり合うと思います

逆に
カメラの機材や設定を中心に学びたい人には
方向が違うかもしれません

この本には
こうすれば上手に撮れるといった
即効性のあることは書いてありません

まとめ

『PHOTOGRAPHER’S EYE』は
「目を引く写真が、なぜ目を引くのか」を
豊富な作例と図解
丁寧に説明してくれる本です

ハイキー、ローキーだけでなく
ハイレジスター、ローレジスター
といった考え方を知れたことで
写真の見方の解像度が上がったのも大きかったです

また
カメラマンが頭の中の型やレパートリーを使って
景色を整理していることを知れて
絵を描くときにも近い感覚だと感じました

すぐに答えだけを教えてくれるハウツー本というより
写真を見る力や考える力を育ててくれる本です

写真を撮る人はもちろん
絵や映像の画面づくりを考えたい人にとっても
学びの多い一冊だと思います

PHOTOGRAPHER’S EYE
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