「流背」の色の選び方と描き方|背景色・イメージ色の考え方
下にリンクを貼ったXのポストのような
アニメの戦闘シーンや変身シーン
高速で物体が移動しているシーンなどで
使われる空間が流れているような背景を
流背と呼んでいます
この流背について
- どのような基準で色を選んでいるの?
- 描くときの注意点は?
という疑問について
僕が美術を担当した「とびだせ上越」
を題材に解説します
(背景素材など掲載許可済み)
これからは
アニメーション業界に就職せずに
アニメーション作家として活動したり
イラストレーターや漫画家などが
簡単なアニメーションを作る機会が
ますます増えていくでしょう
この記事が
そういった方々の参考になればと思います
流背の種類と色の考え方
僕は流背を
主に次の2種類に分けて考えています
- 背景色を使った流背
- イメージ色を使った流背
まず
背景色を使った流背について説明します
背景色を使った流背
「背景色の流背」は、街中や屋外など
シーンにもともとある背景の色を
もとにして描く流背です

背景色の流背の色の選び方
背景色の流背では
背景で使われている色をもとにしますが
背景と完全に同じ色を使うと
流背にしたときにメリハリが弱くなります
そのため「彩度」と
「明度のコントラスト」を少し強くして
流背にしたときに
「背景色に見えるけれど
画面としては動きが出る色」
を選ぶようにしています
また、色数を増やしすぎるよりも
ある程度絞った方が整理しやすいです
色数を増やしすぎると
明度差や色相差が小さくなって
動きが見えにくくなります
絵の具で描く場合は
色が混ざったときに
汚い色になってしまうこともあります

イメージ色を使った流背
「イメージ色の流背」は
背景の色ではなく
キャラクターを目立たせたり
シーンの感情に合わせて
色を決める流背です
- キャラのイメージカラーを使う
(例:青っぽいキャラクターなら
青系を使う) - キャラを目立たせる色を使う
(キャラ色の補色に近い色を
使うなど) - 感情や状況を表現する色を使う
(絶望なら暗い色を使うなど)

キャラクターのイメージカラーを基準にする
例えばキャラクターの
イメージカラーが「青」の場合
イメージ色の流背には
2つの考え方があります
- キャラを目立たせるために
補色に近い色を使う - キャラの印象に合わせて
青系の同系色を使う

感情・状況を色で表現する
まず考えたいのは
何を表現するのかです
- キャラの「状況」なのか?
- キャラの「感情」なのか?
例えば、絶望的な状況でも
本人には
闘志や希望がある場合もあります
その場合
配色で見せるのか
タッチで見せるのか
それとも両方で見せるのか
ここを決めておくと
色を選ぶ基準が整理しやすくなります
イメージ流背の色の選び方
イメージ色を使う場合は
背景色を使う場合と違って
自分で色を決める必要があります
- 明度は3~4階調が目安
明度差が小さいと
動きが見えにくい - 彩度の高い色を使う
ポスターカラーの場合は
混色を避けて
生色に近い状態で使うことも多い - アクセントになる色も使う
同系色だけでは色幅が狭くなる
同系色以外の色も1色使って
変化を付ける

分裂3原色を使った色の選び方
円形の色相環では
色が連続的に変化するため
どこからどこまでを同系色と考えるか
判断しにくいことがあります
そこで僕は、下図のような
分裂3原色の考え方を使っています

例えば上図の青系の流背の場合
「赤っぽい青」と同系色の
「赤っぽい青+黒」だけでなく
「黄っぽい青」を使っています
また上図のピンク系の流背では
同系色の「赤っぽい黄」と
「黄っぽい赤(ピンク)」だけでなく
「青っぽい赤(マゼンタ)」を
使っています
同系色だけでまとめると
色相の変化はあまり大きくできません
そのぶん、変化を出すには
明度や彩度に頼ることになります
同系色以外の色を1色入れると
明度や彩度だけでなく
色相でも変化をつけやすくなります
イメージ流背を描くときの注意点
よくある失敗は下図の上段中央のように
画面中央の明るい部分が単調になって
スクロールしても
画面が変化しているように見えない
という失敗です
これは、僕がイメージ流背を
描き慣れていなかった新人時代に
よくやっていた失敗です
改善策としては
画面中央の明るい部分が
一直線にならないように
変化を付けるようにします

例えば下図で
3つの流背を並べて比較すると
中央の明るい部分が
単調な一直線にならないように意識していることが
分かると思います

まとめ
アニメの戦闘シーンや変身シーン
高速移動の演出でよく使われる流背にも
色の選び方や描き方には
いくつかの考え方があります
背景色をもとにするのか
キャラクターのイメージカラーを使うのか
感情や状況を色やタッチで見せるのか
そこを決めてから描くと
「何を見せたい流背なのか」
が整理しやすくなります
アニメを作らない人でも
「へぇ〜
こんなことを考えて描いているんだ」
と、新しい視点で
アニメを楽しんでもらえたらうれしいです
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「形・空間・光・色・構図・表現の関係を
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