じゃあ消失点をどこにすれば望遠、標準、広角を描き分けられるの?
アニメや漫画
イラストの勉強をしていると
望遠、標準、広角といった
レンズごとの絵の特徴や
使い方は見かけます
でも実際に白い紙に描こうとすると
「消失点をどう置けば標準っぽくなるの?」
「望遠っぽくしたいときは
どうすればいいの?」
「広角っぽい絵は?」
とわからないことばかりです
僕もアニメ背景会社に入ってすぐ
望遠、標準、広角
という言葉を知ったころから
このあたりをずっと気にしてきました
望遠っぽい絵と広角っぽい絵の
区別がつくようになって
描き分けることが
できるようになった今でも
「見た目」以上に
はっきりとした答えは
見つかっていません
しかし
ひとまず考える足がかりとして
使いやすいシンプルな考え方を
見つけました
それが
「画面に対して
2つの消失点の距離をどう置くか」
で考える方法です
2点透視の場合は
横幅aの画面(青い部分)に対して
a/2離れた消失点を2つ取ると
青い画面内の四角柱の角は
歪みにくくなります

一方で、画面外の四角柱の角は
画面から離れるほど歪みが強くなります
このことから
横幅aの画面に対してa/2の位置に
2つの消失点を取った場合
青い画面内のパースで作図された絵は
肉眼の印象に近い標準レンズ相当の絵として
簡易的に考えられると思います
また
2つの消失点の距離が2aより短くなると
画面内にも歪みが出やすくなるので
広角っぽい絵になります
逆に
2つの消失点の距離が長くなれば
望遠っぽい絵になります
かなり大ざっぱに言えば
- 消失点同士が近い → 広角っぽい
- 2a前後 → 標準っぽい
- 消失点同士が遠い → 望遠っぽい
という感じです
なお
消失点が画面外に出る場合の考え方を知りたい方は
消失点を決めずに描く「真ん中ー真ん中分割法」
も参考にしてみてください
もちろん、これは
厳密な解決策というより
描き分けの感覚をつかむための
考え方です
それでも、広角・標準・望遠を
まったく手がかりなしに描き分けるより
2つの消失点の距離を目安に考えた方が
ずっと描きやすくなると思います
おそらく上級者になると
画面の収まりや見せ方の感覚を
基準に描いていて
そもそも消失点を強く意識していない人も
多いのではないかと思います
だからこそ
2つの消失点の距離で
「広角」「標準」「望遠」を
イメージする考え方は
初心者や中級者にとって
良い橋渡しになるのではないかと思います
僕自身も、消失点を使って
きっちり計算で形を割り出す
という描き方はあまりしていません
時間がかかるうえに
計算通り、正確に描いても
意外と不自然に見えることがあるからです
消失点はあくまで参考として使い
最終的には画面の収まりがよく
不自然に見えないように
目で調整しています
試しに
自分で描いた現地スケッチから
消失点の位置を割り出してみました
建物の大きさや
建物に対する角度が違うので
厳密な比較はできませんが
消失点の距離が近い下の絵の方が
対象に近づいて描いています

どちらも消失点間の距離は
画用紙の幅の2倍くらいになっています
大ざっぱに言えば
このあたりは
上で書いた「歪みにくい範囲」に
収まっていると考えられそうです
厳密な公式ではありませんが
まったく何の足がかりもなく消失点を設定するよりは
かなり使いやすい考え方だと思います。
まずは
「画面幅に対して
消失点同士の距離が近いか遠いか」
を見るだけでも
広角・標準・望遠の違いを
意識しやすくなると思います
視円錐や画角の考え方については
以下のページを参考にしました
http://negucomic.blog66.fc2.com/blog-entry-21.html
もっと詳しく知りたい方は
「視円錐」で検索してみてください
視界の広さや歪みとの関係を解説した記事が
見つかると思います
消失点が画面外にあるときの考え方を知りたい方は
消失点を決めずに描く「真ん中ー真ん中分割法」も
あわせてどうぞ
パースも大切ですが、それより先にあるのは
「何をどう見せたいか」という意図です
目的に合わせて配置や空間を考える流れは
絵づくりの全体像を整理した記事
でもまとめています
実際に手を動かして基礎を見直したい方は
30分でできる基礎練習の選び方や続け方を
まとめた記事もあわせてどうぞ
パースを含め、分野ごとの勉強本を探したい方は
絵の勉強に役立つ本を
難易度や読む順番つきでまとめた記事も
参考にしてみてください