影色は光色の補色?光と影の色を自分で確かめた実験
僕は「影色は光色の補色」と
聞いたことはありましたが
なぜそうなるのか
本当にそう見えるのかが
よくわかりませんでした
僕は17年間
アニメ背景の仕事で
日常的に色を扱ってきました
仕事では見本に合わせて
光や影の色を作ることが多かったのですが
自分で色を決めようとすると
「影は何色なのか?」という疑問が
ずっと残っていました
そこで2021年に
実際に色のついた光を使って
影がどんな色に見えるのか
自分で確かめてみました
結果として
肉眼では影が光の色の補色方向に見えましたが
撮影した画像ではほぼグレーでした
この経験から現在は
影色は単独の色だけでなく
周囲との関係で考える必要がある
と感じています
光と影の色を自分で確かめた実験
実験したのは2021年3月です
白い画用紙の上に
白い発泡スチロール製の箱と球を置き
白色蛍光灯に色のついたセロファンを被せて
観察と写真撮影を行いました
- カメラ:Nikon D7500
- ホワイトバランス:5000K固定
- 画像:色調補正なし

2021年3月に自分で行った実験
色のついた光だけでは
光が当たった部分も影も
同系色に見えたため
弱い室内灯の白色蛍光灯も加えて
試してみたのが下の写真です

すると肉眼では
- 緑の光では影が赤紫っぽく
- 紫の光では影が黄色っぽく
- 青の光では影が赤っぽく
見えました

下の図のように
撮影した画像をPhotoshopで確認すると
影の部分はほぼ同じグレーでした


画像上ではほぼグレーなのに
肉眼では補色方向の色みを感じる
この違いが
僕にはとても印象的でした
撮影条件によって写真の色も変わる
ただし
写真に記録された色は
ホワイトバランスや画像処理などの影響を受けるため
肉眼で見た色と完全に同じとは限りません
実際に
ホワイトバランスをオートにして撮影すると
5000Kに固定したときよりも
影の色がかなり鮮やかに写りました
下の比較画像を見ると
オートで撮影した写真では
暗い側の影の彩度が高くなっているのが
わかると思います

そのため今回の比較では
ホワイトバランスの色温度を
5000Kに固定しています
自分で試す場合も
撮影条件をそろえて比較することをおすすめします
なぜ影が補色方向に見えたのか
色は周囲の色によって
違って見えることがあります
グレーなどの無彩色が
周囲の色の影響によって
補色方向に色づいて見える現象は
色陰現象と呼ばれます
そのため
2026年8月現在は
少なくとも今回の実験については
影そのものが補色になったというより
周囲の色との関係によって
補色方向に見えていた可能性がある
と考えています
ただし
これは自宅で行った簡単な実験で
厳密に色を測定したものではありません
それでも実際に試したことで
影色は単独で見るのではなく
周囲の色との関係で考える必要がある
と実感できました
光と影の色について
知識として覚えるだけでなく
自分の目で確かめる
きっかけになった実験です
【あわせて読みたい】
今回の実験をあらためて考える
きっかけになったのが
『配色の教科書』で知った
ドラクロワやゲーテの色彩理論でした
「影色は光色の補色」という考え方の
背景を知りたい方はこちら
→ ドラクロワの色彩三角形について見る
光と影の色を考えるときには
色相だけでなく
明度や彩度をどう変えるかも関係します
僕自身の色選びを調べて
明るい色・暗い色の関係を整理した記事はこちらです
→ 明度と彩度から色選びを考えた記事を見る