グラデーションをかけたときに

  • 真ん中の色が濁って見える
  • 思ったより色がつながらない
  • 明るい色と暗い色の間が不自然になる

と感じたことはありませんか?

そこで大事になるのが
中間の色を成り行きで作らず
最初から自分で決めておくことです

僕はアニメ背景の仕事を17年経験しました

新人研修のときに
「グラデーションをかけるときは
明・中・暗の3段階の色を作れ」
と言われました

当時は
明るい色と暗い色を作っておけば
その間は自然につながるのではないか
と思っていました

でも実際に塗ってみると
2色の間にできる色が
思ったより濁って見えることがあります

この記事では
グラデーションを作るときに
なぜ明・中・暗の3段階で色を用意するのかを
僕の経験をもとに整理します

グラデーションは「明・中・暗」の3段階で考える

それ以来
今も下図のように「明」「中」「暗」の
3段階の色を作ってグラデーションをかけています

※この記事のグラデーションと比較図は
僕が実際に絵具で色を作って比較したものです

明・中・暗の3段階に分け、異なる絵具の組み合わせで作った色と、それらをつないだグラデーションの例
「明・中・暗」の3段階で作ったグラデーションの作例

3段階の色を作る理由は以下のようになります

3段階の色を作る2つの理由
  • 色味によっては、2段階だけで作ると
    中間色が濁って見えることがある
  • 中間の色味を自分で決められる

明るい色と暗い色だけで
グラデーションを作っても
問題ない場合もあります

ただ、中間色を用意して
3段階の色を使ったグラデーションと
見比べてみると
少し単調でつまらないグラデーションに
見えることがありました

 

具体的に
2段階と3段階の色を使ったグラデーションについて

  • 同系色のグラデーション
  • 色味が変わるグラデーション

の2つでどのように違うのか説明します

同系色では2段階と3段階の差は小さい

絵具は、混ぜる色数が増えるほど
彩度が下がりやすくなります

特に、赤・青・黄の要素が
均等に近づいていくと
無彩色のグレーに近づいていきます

そのため僕は
グラデーションの色を作るときも
できるだけ少ない色数で考えた方が
彩度を保ちやすい
と感じています

混色で彩度が下がる理由について
赤・青・黄の関係から混色を整理した記事
図と実際の絵具を使って詳しく説明しています

下図ではグラデーションと
使用した絵具を図示しています

同系色で2段階と3段階のグラデーションを比較した図。中間部分の彩度差は小さいが、3段階では中間の色味を調整できる
同系色の2段階と3段階のグラデーション比較

上図に並べたグラデーションを
見てもらえばわかるように
同系色のグラデーションでは
2段階で作った場合と
3段階で作った場合を比べても
「中」あたりの彩度差に
大きな違いはありませんでした

近い色同士のグラデーションでは
明るい色と暗い色の間も
比較的自然につながりやすいのだと思います

ただし、3段階で作ると
真ん中の色味を自分で決めることができます

そのため
ただ明るさが変わるだけでなく
少し色数の多い
リッチな印象のグラデーションに
しやすい
と感じました

(3段階の「中」のあたりの色味が異なるのは
青(コバルトブルー)が赤っぽいからです
黄っぽい青があれば近い色が作れます)

色味が変わる場合は中間色を自分で決める

色味が変わるグラデーションでは
明るい色と暗い色の間に
どんな色を通すかで
印象がかなり変わります

2段階だけで作る場合
中間の色は塗りながら自然にできる色になります

もちろん、それでうまくいくこともあります

ただ、色相が大きく離れている場合は
中間の色が思ったより濁ったり
グレーっぽく見えたりすることがあります

3段階で考えると
その真ん中に来る色を
自分で先に決めることができます

この
「中間色を成り行きにしない」
という考え方が
グラデーションをコントロールするうえで
大事になってきます

色味が変わる2段階と3段階のグラデーション比較。2段階では中間色が成り行きになるのに対し、3段階では中間に通す色を決めて色相の変化を調整できる
色味が変わる2段階と3段階のグラデーション比較
色味が変わるグラデーションを2段階で作る場合の注意点
  • 「明」「暗」と比べて、「中」の彩度が低く見える
  • 中間色の色味が成り行きになりやすい

一方で、3段階の色を使うと
次のような違いがあります

3段階の色を使ったグラデーションでできること
  • 真ん中に通したい色味を自分で決められる
  • 中間色の彩度を保ちやすい
  • 必要であれば、4段階に増やして
    色相環に沿った変化も作りやすい

たとえば
オレンジ味の色を追加して4段階にすると
さらに色相環に沿ったグラデーションに
近づけやすくなります

まとめ

今回比べてみて
グラデーションを作るときは
3段階の色を用意すると
イメージに近づけやすいと感じました

特に大事なのは
明るい色と暗い色だけで考えず
真ん中の色を自分で決めておくことです

中間色を成り行きにしないだけで
彩度や色味をコントロールしやすくなります

これは絵具だけに限った話ではありません
Photoshopなどのデジタルツールで描く場合も
考え方は同じです

グラデーションツールやブラシツールを使う場合でも
中間色の色味や彩度を意識しておくと
イメージに近いグラデーションを
作りやすくなる
と思います


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後藤太郎
アニメ背景美術の仕事に17年間携わり、現在はフリーのイラストレーターとして活動しています。 このブログでは、絵の練習・背景制作・屋外スケッチについて、実際に描いたり試したりして分かったことをまとめています。 詳しい経歴・制作実績は、画面下部の「運営者情報」からご覧いただけます。