短時間でたくさん描きたいときの「1分スケッチ」|YouTubeから街歩きへ
時間をかけて絵を描いていると
もっと細かく描き込みたいと思う一方で
短時間で、たくさん描いてみたい
と思うことはありませんか?
僕もここ半年ほど
複雑な長屋の商店街をスケッチしていました
線画に1時間半ほど
着彩に2時間ほどかかり
1回では終わらず
線画と着彩を別の日にすることが多かったです


僕は17年ほど
アニメ背景の仕事をしてきました
仕事では、限られた時間の中で
背景を描くことも多くありました
しかし自主制作となる自分のスケッチでは
時間制限はありません
どんどん時間をかけて
細かく描き込みたいと思う一方で
できるだけ短時間で
たくさん描いてみたいとも思うようになりました
描き続けるためには
同じ描き方を繰り返すだけでなく
ときどき気分転換になる方法を
試してみることも必要なのかもしれません
そこで始めたのが
YouTubeの街歩き動画を使った1分スケッチです
実際に試してみると
YouTubeの動画を描くだけでは終わらず
- 実際の街を歩きながら描く
- 色を付ける
- 漫画のようにコマ割りする
というように
次にやってみたいことが
少しずつ広がっていきました
今回は
YouTubeの1分スケッチから
実際の街歩き、着彩、コマ割りへ
発展していった流れをまとめます
なお、この記事では著作権に配慮し
他の人が撮影したYouTube動画を見て描いた
1分スケッチは掲載していません
YouTubeで練習したあとに
自分で街を歩いて描いたスケッチを中心に紹介します
YouTubeの街歩き動画を1分でスケッチする
YouTube街歩きスケッチは
街歩き動画を一時停止して
1フレームにつき1分で描く練習です
この方法は僕が思いついたものではなく
イラストレーターの人が
練習でやっている方法を
自分なりにアレンジしたものです
まず、紙に4cm×7cmくらいのフレームを
いくつか用意します

僕は12個のフレームを作って描いています
あらかじめフレームを用意しておくと
- 不思議と全部埋めたくなる
- 終了時間の目安がわかる
という利点がありました
動画を一時停止する場所を決める
実際にやってみると
動画をどこで一時停止するかを決めるのが
意外と難しく感じました
街歩き動画は
カメラが常に移動しているため
どの場面でも
画面のおさまりがよいとは限りません
僕は
- 物の輪郭同士が
不自然に接するタンジェントができていない - 画面のおさまりがよい
という2点を見ながら
一時停止する場所を探しました
参考までに
下のスケッチは
電車が駅に停車している間に
短時間で描いたものです
YouTube動画を見ながら
1分で描いたスケッチも
線の量や描き込み具合は
だいたいこれくらいでした

2分よりも1分のほうが気分転換になった
1フレームにかける時間は
1分くらいがちょうどよいように感じました
試しに2分でも描いてみましたが
2分は意外と時間が長いので
しっかり描こうとしてしまいます
すると
上手く描けたかどうかに
意識が向くようになりました
これでは
気軽な気分転換になりません
一方、1分では
考えている時間がほとんどありません
パースや消失点などを
細かく考えている余裕もありません
とにかく
- 線の角度
- 長さ
- 画面がどのような角度で分割されているか
だけに集中して
線を引いていきます
時間が足りないので
上手く描けなくて当たり前と
割り切るしかありません
慣れてくるとそういった感覚が
だんだんクセになっていきました
それでも
最低限の線を描けば
なんとなく風景のように見えます
普段の僕は
上手く描こうとしすぎていたのかもしれません
短時間で描いてみることで
最低限、何が描いてあれば
風景に見えるのかを考えるきっかけにもなりました
YouTubeでの練習から、実際の街歩きスケッチへ
YouTube街歩きスケッチを何度か試したあと
実際に街を歩きながら
短時間でスケッチしてみました
その日は予定があったため
描ける時間は40分ほどでした
時間は計っていませんが
1フレームにつき
おそらく2~3分くらいで描いていたと思います

YouTubeの動画を使って
短時間で描く練習をしていたおかげか
実際の街でも
どんどん描き進めることができました
このとき考えていたのは
次の2つだけです
- 用意したフレームを全部埋める
- 似た構図ばかりにならないようにする
フレームを全部埋めようと思うと
普段なら
もっとよい構図があるかもしれない
と思って通り過ぎるようなものも
積極的に描くようになりました
1フレーム描き終わったら
その場所から動かずに
ほかに面白いものはないか
コマを埋めるのに適したものはないか
と探します
この感覚が新鮮でした
絵になるかどうか
描きたいものかどうか
という判断基準とは少し違います
無心で描く楽しさという視点で
街を見ることができました
それがよかったのだと思います
街歩きスケッチに色を付けてみる
実際に街を歩いて描いてみると
次は色を付けてみたいと思いました
ワークマンで買った道具入れを腰からぶら下げ
100円ショップで買った
金属のペンケースを
パレットとして使ってみました


実際に色を付けてみると
朝、昼、夕方、曇り、雨といった
いろいろな時間帯や天気でも
描いてみたいと思うようになりました
漫画のようにコマ割りして描いてみる
街歩きスケッチをしたことで
色を付けることのほかに
漫画のようにコマ割りしたら
面白そうだとも思いました
そこで、知り合いの飲食店で
コマ割りしたスケッチを描かせてもらいました

このときも
YouTube街歩きスケッチと同じように
あらかじめフレームを用意しています
下書きはせず
ペンで一発描きしました
着彩には
100円ショップで買った
ステンレスの名刺入れに入れた透明水彩と
水筆を使っています
今回は
分裂3原色として使っている
赤・青・黄を2色ずつ
合計6色で着彩しました

ほかにも
いろいろなパレットを用意しています

僕は漫画を描いたことはありません
それでも
この方法を続けていけば
何か面白いものにつながるような気がしました
思いついたことを
実際にやってみると
そこからまた
次にやってみたいことを思いつくものだと感じました
しばらくは
手早く描く街歩きスケッチを続けてみようと思います
YouTube動画やストリートビューを見て描くときの注意点
YouTubeの街歩き動画には
写真とは違い
カメラが移動していくという特徴があります
建物の横を通り過ぎたり
道の奥へ進んだりする様子を見ることができるため
僕は1枚の写真を見るよりも
物の前後関係を想像しやすいと感じました
ただし
スマートフォンやGoProなどで撮影された映像は
広角気味になっている可能性があります
広角の映像では
肉眼に近い見え方と比べて
遠くのものは小さく
近くのものは大きく映ります
そのため
動画の中で前後関係を確認しやすくても
距離の見え方が肉眼と同じとは限りません
実際にその場所で描いたスケッチと
映像を見て描いたスケッチでは
距離感に違いが出ることがあります
また、僕も以前は
奥行き方向を
長く描いてしまうことがありました
特にストリートビューは
広角気味の映像になるため
下の図のように
奥行き方向が
長く表示されることがあるようです
見たまま描くときは注意が必要です

同じ建物を別の角度から見て
形を確認してみてください
見たまま描いていると
奥行き方向に長く描くクセが
強くなってしまう可能性があります
ストリートビューを参考に描くときの
画角と奥行きの注意点については
別の記事でもう少し詳しくまとめています
まとめ
思いつきで始めた
YouTubeの1分街歩きスケッチから
- 実際の街を歩きながら描く
- 色を付ける
- 漫画のようにコマ割りする
というように
やってみたいことが
少しずつつながっていきました
技術の向上だけを目的にするよりも
好奇心を満たすことを目的にしたほうが
結果的に
技術の向上にもつながるのかもしれません
今回の気分転換は
最近読み始めた
為末さんの『熟達論』に出てくる
「遊」の部分に
当てはまるのかもしれないとも思いました
時間をかけて描くことが多い人や
絵柄を変えてみたい人は
たまには
思いきって短時間で描いてみてください
新しい視点が見つかるかもしれません
まずは1分だけでも
手を動かしてみてください
そこからまた
次にやってみたいことにつながっていくと思います
短時間で複数のスケッチを描いてみたい方は
1枚の紙を小さくコマ割りして
普段とは違うものや構図を描く練習も
参考にしてみてください
1分スケッチ以外にも
短時間でできる絵の練習を知りたい方は
30分以内でできる基礎練習を
目的別にまとめた記事も参考にしてみてください