木目を描くときに
「木目の色」について考えたことはありますか?

僕は17年ほど
アニメ背景の仕事をしてきました

それでも仕事を始めたころは
特に何も考えずに木目を描き
「木目の形に凹んで見える」
「木目を溝や影と同じ色で描くな」

と先輩に言われたことがあります

木目が凹んで見えた原因は
木目と溝や影を
同じような色で描いていたこと
でした

描き込みの技術ではなく
色についての知識が足りなかったのです

木目と溝を同系色で描いていた

当時の僕は
板を塗った色に少し黒を混ぜて
木目の色を作っていました

さらに黒を混ぜた暗い色で
溝を描いていたため
木目も溝も
板の色に黒を混ぜた同系色になっていました

その結果、平らな木目の部分まで
溝のように凹んで見えていたのです

下の図を見比べてみてください

木目と溝の色の使い分け
木目と溝の色の使い分け

違いがわかるでしょうか?

木目の色について
意識したことがない場合は
少しわかりにくいかもしれませんが

左側の図では
板、木目、溝を
すべて同系色にしています

一方、右側の図では
板の色に対して
木目を少し赤っぽく
溝を少し青っぽくしています

明るさだけでなく色味も変える

次に、色相環を使って
色の違いを考えてみます

黄色い光が当たった青い箱
黄色い光が当たった青い箱

上の図では
黄色い光が当たっている1〜3の青に
黄色を混ぜています

一方、黄色い光が当たっていない4には
黄色みのないコバルトブルーを使っています

円形の色相環ではわかりにくいため
分裂3原色の図でも
黄み寄りの青と赤み寄りの青を確認してみます

分裂3原色を使った光面/影面の色の説明
分裂3原色を使った光面/影面の色の説明

1〜3は黄み寄りの青になります

一方
4は赤寄りの青です

つまり、1〜3と4では
明るさだけでなく色味も違っています

分裂3原色や
黄み寄り・赤み寄りの色を使った
混色の考え方については
色相・彩度・分裂3原色の基本を
まとめた記事
でも詳しく説明しています

木目を影と同じ色で描くと凹んで見える

試しに
影色の4で木目を描いてみました

影色で木目を描いた図
影色で木目を描いた図

背景が白いため
少しわかりにくいかもしれません

しかし、木目を影面と同じ色で描くと
表面がひび割れたり
凹んだりしているように見えやすくなります

そのため、木目を描くときは
影とは異なる色味を使った方が
木目として見えやすくなります

まとめ

僕が木目をうまく描けなかった原因は
描き込みの技術ではなく
色についての知識不足でした

木目を溝のように見せないためには
明るさだけでなく
木目と影の色味を分けて考える必要があります

当時の僕は
「明るい色と暗い色を使えば
立体的に見える」
としか考えていませんでした

色相についても
知識としては知っていましたが
絵の中で使い分けることが
できていなかったのです

質感や汚れを描いていて
何かしっくりこないときは
描き込み方だけでなく
色の違いにも注目してみてください

明るさ以外の部分に
原因が見つかるかもしれません


【あわせて読みたい記事】

混色するときに
何を基準に色を選べばよいのか迷う方

グレー、彩度、色味に分けて
混色を考える方法
も参考にしてみてください

また、今回の木目のように
描き方の問題だと思っていたことが
実際には色や光など
描き方以外の知識と関係している場合があります

自分に必要な知識や
今の理解を一度整理してみたい方

絵を描くときに必要な知識の全体像を
整理した記事
も参考にしてみてください

ABOUT ME
後藤太郎
17年ほどアニメ背景美術の仕事をしてきました。現在は、絵の練習・背景制作・屋外スケッチについて、実際に描いたり試したりしながら気づいたことを発信しています。